導入事例

    CASE

    医療現場のFAX業務を1,000時間削減!病院DXの第一歩を支える「CLOUD FAX」のAPI連携力

    医療現場のFAX業務を1,000時間削減!
    病院DXの第一歩を支える
    「CLOUD FAX」のAPI連携力

    株式会社アルバトラス 様

    SaaS事業部長責任者 北郷天馬氏

    株式会社アルバトラスは、医療機関向けのDXソリューションを提供する企業です。医療現場のデジタル化を支援するために、プロダクトを開発。同社が提供する「SmartFAX」は、医療機関の地域医療連携にかかわる紙やFAXの課題を解決するクラウドFAXシステムです。このシステムの通信基盤を、KDDIウェブコミュニケーションズが提供する「CLOUD FAX」が支えています。

    今回は、CLOUD FAX導入の経緯と開発プロセス、その効果についてお話をお聞きしました。

    アイキャッチ
    導入前の課題
    • 他の医療機関に対してFAXを送信する業務が膨大な時間になっていた
    • 紙の出力・移動・仕分け・保管作業で残業が深夜に及ぶケースもあった
    • 外部連携先が紙運用のため、院内のデジタル化が進まない
    導入の決め手
    • 送受信両方に対応し、API連携が柔軟
    • 送信料・受信料ともに業界最安値水準の料金体系
    • KDDIウェブコミュニケーションズの信頼性と対応力
    導入の効果
    • 従業員500名規模の病院で年間2,200時間の業務削減を実現
    • うちFAX関連業務だけで1,000時間削減
    • リハビリ部門での書類仕分け作業がゼロになり、残業は激減
    • 複合機への移動や複数人での確認作業が不要に

    外部に点在する連携医療機関の紙運用が院内DXを阻む

    Q:CLOUD FAX導入前の課題を教えてください

    弊社代表の星野が、実家である三重県の病院でDXを進める中で、医療現場のデジタル化の遅れという課題に気づきました。多くの医療現場では、コミュニケーションツールの導入すら進んでおらず、会議のたびに全員がどこかの会議室に集まる必要があるという現状が未だに残されています。そこで、まずは基本的なDXツールの導入支援を始めましたが、その過程で最も大きな課題として浮かび上がったのはFAX業務でした。

    患者さんに接する診療の現場では電子カルテの普及が進んでいますが、地域医療連携における対外的な医療機関のやり取りでは、依然として紙とFAXが主流です。紹介状や返書、検査結果報告書などを、外部の医療機関や訪問リハビリ事業者とやり取りする際、原本を郵送する前にFAXで先に送るという慣習が根強く残っています。

    SaaS事業部長責任者 北郷天馬様
    SaaS事業部長責任者 北郷天馬様

    病院としてはDXを進めたいのに、外部とのやり取りで紙が継続的に発生することで、院内での情報共有もそのまま紙に依存する悪循環から抜け出せない状況でした。

    Q:具体的にどのような業務負担が発生していたのでしょうか?

    FAX業務の負担は、送信側と受信側の両方で発生していました。送信側では、電子カルテで作成した文書をわざわざ紙に出力し、複合機まで移動して送信する必要があります。さらに送信時には番号を間違えないよう、2~3人で確認する作業が発生していました。

    また、紹介状の内容に不備があった場合、地域医療連携室の職員が紙を持って外来の医師のところまで移動し、修正を依頼して、再び受け取りに行くという往復作業も発生していました。

    受信側の負担はさらに深刻でした。特にリハビリ部門では、ケアマネージャーや訪問リハビリ事業者から日々大量の書類がFAXで届きます。患者さんごとに報告書が送られてくるため、それを一件ずつごとに仕分けてファイリングし、保管する必要があります。月末には大量の報告が届き、書類の仕分けだけで3〜4時間かかることもありました。夜9時、10時まで残業するケースも珍しくなかったそうです。

    こうした業務の根本的な原因は、院外とのやり取りで紙が発生し続けることにありました。この入口と出口の部分をデジタル化しなければ、院内のDXは進まない。そこで医療現場に特化したインターネットFAXサービスの開発を検討し始めたのです。

    病院業務のFAXに関する課題

    課題1
    アナログな出力・修正作業に<br>よる移動工数の肥大化

    アナログな出力・修正作業に
    よる移動工数の肥大化

    課題2
    手入力・手動送信による<br>非効率な確認作業の蓄積

    手入力・手動送信による
    非効率な確認作業の蓄積

    課題3
    物理的な書類整理・管理による<br>残業時間の常態化

    物理的な書類整理・管理による
    残業時間の常態化

    3条件を満たすサービスを探し続けた

    Q:CLOUD FAXを知ったきっかけと導入の決め手を教えてください

    SmartFAXのシステム構築にあたり、インターネットFAXサービスの選定には3つの条件がありました。

    条件1は、送受信の両方に対応していること。受信だけでなく、送信機能も必須でした。条件2は、コストパフォーマンス。日々大量の送受信が発生するため、コストがかさみにくい料金体系が重要でした。そして条件3は、API連携の柔軟性。自社システムに組み込みやすいAPIを探していました。

    サービス選定の条件

    条件1送受信の両方への対応
    条件2コストがかさみにくい料金体系
    条件3API連携の柔軟性

    これらの条件をもとに、国内外を問わず複数社を比較検討し、最終的にCLOUD FAXを選びました。その決め手は、料金が最も手頃だったことに加え、KDDIウェブコミュニケーションズが提供しているという安心感が大きかったです。同価格帯の他社サービスもありましたが、やはりKDDIというブランドと、日本語でのサポート体制に信頼を感じました。
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    Q:システム開発はどのように進められましたか?

    開発において重要だったのが、APIキーのカスタマイズ対応でした。SmartFAXは単一の病院だけでなく、複数の医療機関での導入を前提としたシステムです。そのため、各病院をユニークに識別できるAPIキーの設定が必要でした。APIキーの変更なども迅速に対応していただき、開発側としては非常にありがたかったです。

    また、CLOUD FAXの開発環境の充実度も高く評価できたポイントです。ドキュメントやマニュアルなどのリファレンスが整っていて、開発環境もわかりやすく分かれていました。エンジニアの使いやすさが重視された設計になっていると感じました。

    システムはVPN接続により、院内の閉じられたネットワーク環境からも安全にアクセスできる設計になっています。医療機関の多くはセキュリティの観点からオンプレミス型のネットワークを採用しているため、この接続方式は必須だったと考えています。一般企業向けのクラウドFAXサービスは多数ありますが、医療機関のオンプレミス環境にしっかり対応できることが、私たちの強みの一つです。システムのUIも、高齢の職員の方でも使いやすいよう文字サイズを大きくしたり、機能を必要最低限にしたりと、医療現場に特化した工夫を重ねています。

    導入直後に年間1,000時間のFAX業務削減を実現

    Q:導入後の効果について教えてください

    SmartFAXを導入したことで、従業員500名規模の病院で、年間2,200時間の業務削減を実現しました。このうち、FAX関連業務だけで換算しても1,000時間の削減効果となります。残りの1,200時間は、AIによる文字起こしや自動文書仕分けなど、FAX業務に付随する周辺業務の効率化によるものです。

    電子カルテで作成した文書をPDFでアップロードし、送信ボタンを押すだけでFAXの送信ができるようになったので、以前のように紙を出力して複合機に向かう手間が丸ごとなくなりました。連絡先も登録しておけば選択するだけで済むので、従来の複数人での番号確認も必要ありません。
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    SmartFAX導入後の効果
    大量のFAXを受信していた病院内のリハビリ部門でも話を伺ったのですが、受信側でも変化が大きかったようです。ケアマネージャーから届く報告書を、クラウド上で自動的に患者さんごと整理できるので、紙の仕分け作業が完全になくなったという声をいただいています。

    現場からは、「不要な紙が出なくなり嬉しい」「複合機への移動がなくなり楽になった」「リハビリ事務の残業がほぼゼロになった」といった反応が寄せられています。

    SmartFAXとMedCloudが描くこれからの展開

    Q:今後の展望についてお聞かせください

    現在、SmartFAXは規模に関わらず幅広い医療機関で導入が進んでおり、特にリハビリ部門では地域のケアマネージャーとの書類のやり取りが多いため、FAX業務のデジタル化による効果が大きく、高い評価をいただいております。

    さらに当社では、SmartFAXで培った基盤をもとに「MedCloud(紹介状クラウド)」という新サービスも展開しています。こちらは300床以上の大規模基幹病院向けに、紹介状の原本を電子署名付きでデジタル化するサービスです。SmartFAXで小規模から中規模の病院をカバーし、MedCloudで大規模病院を支援する。こうした二つのサービスで、医療機関のDXを推進していきたいと考えています。

    取材協力

    会社名
    株式会社アルバトラス
    住所

    本社
    三重県津市

    事業内容
    • 医療機関向けDXソリューションの提供
    本事例で導入されている
    主なサービス・API
    CLOUD FAX(CLOUD-FAX-API)