kintoneでコールセンター業務を効率化!導入事例と活用法を徹底解説
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久米 純矢 株式会社AISIC 代表取締役 CEO(kintoneエバンジェリスト)
コールセンター業務の効率化や顧客対応の品質向上に課題を感じていませんか。kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するノーコード・ローコードツールで、コールセンターの業務改善に大きな効果を発揮します。顧客情報の一元管理や問い合わせ履歴の共有、対応状況のリアルタイム把握など、kintoneを活用することで、これまで手間のかかっていた業務を大幅に効率化できます。
この記事でわかること
- kintoneをコールセンター業務に導入することで得られる具体的なメリット
- 顧客管理や案件管理など、コールセンター業務に必要なkintoneの機能
- CTI連携ツール「V Callプラグイン for kintone」による業務効率化の方法
- 実際にkintoneを導入した企業の成功事例と活用のポイント
- コールセンターでkintoneを導入する際の注意点とアプリ構築の手順
本記事では、kintoneをコールセンター業務に活用するための具体的な方法を、導入事例や機能解説を交えて徹底的に解説します。顧客対応の品質を高めながら業務効率も向上させる、kintoneの実践的な活用法がわかります。導入を検討している方はもちろん、すでに利用中でさらなる活用を目指す方にも役立つ内容です。
kintoneをコールセンターに導入するメリットとは

コールセンター業務には、顧客情報の管理や問い合わせ履歴の記録、オペレーター間での情報共有など、多くの課題が存在しています。kintone(キントーン)を、コールセンターシステムと連携することで電話業務の効率化やオペレーターの負担軽減、サービスの品質向上といった大きなメリットが得られます。
従来のExcelやメール、書類での管理では、情報が分散し、顧客対応に時間がかかる、対応品質にばらつきが出るといった問題が発生していました。kintoneを導入することで、これらの課題を解決し、顧客情報や対応履歴を一元管理できる環境を構築できます。プログラミングの知識がなくてもドラッグ&ドロップで業務アプリを構築できるため、IT専任の担当者がいない企業でも導入しやすい点が特徴です。
コールセンター業務の課題を解決できる理由
コールセンター業務には、さまざまな課題が存在します。顧客情報がExcelや紙の書類に分散していることで、オペレーターが顧客情報を探すのに時間がかかり、対応が遅れてしまうケースが多く見られます。また、問い合わせ内容の転記ミスや電話番号の聞き漏れなどのヒューマンエラーも発生しやすく、これがクレームにつながることも少なくありません。
kintoneのWEBサイトでは、「エクセル」「メール」「書類」の情報を「一元化」できる、もしくは「一元化して業務効率が向上した」というユーザーの声が多数記載されています。kintoneは、顧客管理機能とコールセンターシステムを連携することで、通話や顧客情報の管理を効率化できる仕組みを提供します。
共通フォーマットを使用することで入力ミスが軽減され、新人のオペレーターでも経験豊富なスタッフと同じように情報を入力できるようになります。kintone上に設定された共通フォーマットを使うことで入力ミスが軽減できただけでなく、新人が苦情対応する際にも慣れた人と同じように情報が入力できるなど、業務の均質化=業務品質の向上にも寄与しています。
| 従来の課題 | kintone導入後の改善 |
| 情報がExcel、メール、書類に分散 | 顧客情報や対応履歴を一元管理 |
| 顧客情報の検索に時間がかかる | 入電と同時に顧客情報を自動表示 |
| 転記ミスや入力漏れが発生 | 共通フォーマットでミス軽減 |
| オペレーター間での情報共有が困難 | リアルタイムでの情報共有が可能 |
| 対応品質にばらつきがある | 対応履歴の蓄積で品質を平準化 |
また、プロセス管理機能により、「誰が」「どのステータスまで」業務を進めているかを管理でき、コールセンターでの問い合わせに対する進捗管理機能としても役立つため、対応漏れを防ぐことができます。日時指定によるリマインド通知機能も搭載されており、顧客への折り返し連絡の忘れ防止にもつながります。
kintoneで実現できる業務効率化のポイント
kintoneをコールセンター業務に導入することで、具体的にどのような業務効率化が実現できるのでしょうか。最も大きなメリットは、コールセンターシステムとの連携により、顧客情報をすぐに参照できるようになることです。kintoneの顧客情報管理機能とコールセンターシステムを連携することで、取引先やユーザーからの問い合わせ時に素早く顧客情報を閲覧でき、入電対応前に顧客情報を確認できるようになり、オペレーターは余裕をもって対応できるようになります。
問い合わせ履歴を保存・管理し、対応履歴を残しておくことで、どのオペレーターが応対をしてもその顧客の状況が確認できるようになり、対応品質の平準化につなげることができる点も重要です。これにより、担当者不在時でも他のオペレーターがスムーズに対応できるようになります。
| 業務効率化のポイント | 具体的な効果 |
| 着信時の自動ポップアップ表示 | 本人確認の時間短縮、応対時間の削減 |
| クリック発信機能 | 番号入力の手間削減、かけ間違い防止 |
| 対応履歴の一元管理 | 情報検索時間の削減、対応品質の向上 |
| 自動集計・レポート機能 | 報告書作成時間の削減、データ分析の効率化 |
| プロセス管理とリマインド | 対応漏れの防止、フォローアップの強化 |
また、過去の問い合わせ履歴をスムーズに確認できることで、スピーディーかつ正確に対応できるため、結果的に顧客満足度が向上し、問い合わせ対応の質が上がるという効果も期待できます。過去の応対履歴を確認できるようにすれば、どのオペレーターが応対をしても顧客の状況が把握できるようになり、対応品質のバラつきを防ぐことにもつながります。
さらに、kintoneをCRM(顧客管理システム)として活用し、さらに電話システムと連携させることで、顧客対応履歴のログや過去対応履歴の確認、問い合わせのタスク管理や問合せ内容集計や分析にも利用でき、トークスクリプトと連動させて一気通貫の顧客対応が実現できる環境を構築することも可能です。これにより、コールセンター全体の生産性向上と顧客満足度の向上を同時に実現できます。
kintoneはクラウドベースのサービスであるため、オフィスだけでなく在宅勤務でも同じ環境で業務を行うことができます。急な災害や事故が発生した際のBCP対策としても非常に有効であり、働き方の柔軟性を高めることにも貢献します。
kintoneでコールセンター業務はどう変わるのか

kintoneとコールセンターシステムを連携することで、電話業務の効率化やオペレーターの負担軽減、サービスの品質向上といったメリットが実現します。従来のExcelやメール、紙ベースでの管理から脱却し、情報の一元管理と可視化によってコールセンター業務は大きく変革します。
顧客情報の一元管理で対応品質が向上
コールセンターシステムとkintoneを連携することで、オペレーターは顧客の過去の問い合わせ履歴や購買履歴などの情報をすぐにチェックできます。この仕組みによって、電話を受けた瞬間に顧客の状況を把握できるため、スムーズで質の高い応対が可能になります。
顧客から着信が入ると、kintone内に登録された顧客情報をポップアップ表示します。会社名、契約内容、過去の問い合わせ内容といった必要な情報が画面に自動表示されることで、本人確認や状況確認の時間が大幅に短縮されます。オペレーターは落ち着いて対応準備ができ、顧客を待たせることなく的確な対応ができるようになります。
さらに、どのオペレーターが応対をしても顧客の状況が把握できるようになり、対応品質のバラつきを防ぐことにつながるという効果もあります。担当者不在時でも他のオペレーターがスムーズに引き継ぎ対応できるため、顧客満足度の向上に直結します。
| 従来の管理方法 | kintone導入後 |
| Excelファイルを検索して顧客情報を探す | 着信と同時に顧客情報が自動表示 |
| 担当者ごとに情報が分散 | 全オペレーターが同じ情報にアクセス可能 |
| 最新情報の確認に時間がかかる | リアルタイムで最新情報を共有 |
| 対応品質がオペレーターによってバラつく | 均一な対応品質を維持 |
問い合わせ履歴の共有がスムーズになる理由
kintone上で問い合わせ履歴を保存・管理し、対応履歴を残しておくことで、チーム全体で顧客対応の経緯を正確に把握できるようになり、情報の属人化を防ぐことができます。
従来のコールセンターでは、オペレーター個人のメモや口頭での引き継ぎに頼っていたため、情報の抜け漏れや伝達ミスが発生しやすい状況でした。kintoneでは、すべての問い合わせ内容と対応履歴がデータベースとして蓄積され、誰でもいつでもアクセスできるため、情報共有のハードルが大幅に下がります。
月10万件を超える入電の中からオペレーターに寄せられた苦情を担当のスーパーバイザーにその場で報告し、その情報をkintone上の苦情管理アプリにスーパーバイザーが入力する運用を実現している企業もあります。このように、問い合わせの重要度に応じて適切なエスカレーションフローを設定できることも、kintoneの大きなメリットです。
また、問い合わせ履歴を確認できるようにすることで、過去の応対履歴を参照しながら適切な対応ができるようになります。クレーム対応や複雑な問い合わせにも、過去の事例を参考にしながら一貫性のある対応が可能になります。
情報共有の具体的な改善ポイント
- 対応内容の検索性が向上:キーワードや日付、顧客名などで過去の履歴を瞬時に検索できる
- 引き継ぎ作業の効率化:シフト交代時や休暇明けでも、すぐに業務に復帰できる
- ナレッジの蓄積:よくある質問や対応方法をデータベース化し、オペレーター教育に活用できる
- 部署間連携の強化:営業部門や技術部門とも情報を共有し、部門を超えた顧客対応が可能に
対応状況のリアルタイム把握が可能に
kintoneの持つプロセス管理機能は、「誰が」「どのステータスまで」業務を進めているかを管理できるよう、業務に合わせた設計が可能です。この機能により、管理者はコールセンター全体の対応状況をリアルタイムで可視化できます。
従来は各オペレーターに個別に確認しなければ把握できなかった対応状況が、kintoneの画面上で一目で確認できるようになります。「対応中」「保留」「完了」といったステータスが視覚的に表示されるため、管理者は適切なタイミングでサポートやリソース配分を行えます。
管理側としても、Excelを複数開いて確認したり報告シートを作ったりする手間も削減され、負担を大きく軽減することができ、管理業務の効率化にも大きく貢献します。
| 管理項目 | リアルタイム把握できる内容 |
| 対応件数 | オペレーターごと、時間帯ごとの処理件数 |
| 対応ステータス | 未対応、対応中、保留、完了の状況 |
| 対応時間 | 平均対応時間、長時間対応案件の特定 |
| エスカレーション状況 | 上位者対応が必要な案件の進捗 |
さらに、日時指定による「リマインド通知」を設定でき、顧客が契約しているサービスの更新期日や後日連絡の約束などに対する漏れ・忘れの防止に役立ちます。この機能により、フォローアップ業務の質が向上し、顧客との信頼関係構築にもつながります。
リアルタイム管理がもたらす具体的な効果
- 迅速な問題発見と対応:長期間 長時間保留になっている案件を即座に発見し、サポートできる
- 負荷の平準化:特定のオペレーターに業務が集中していないかを確認し、チーム全体に適切に分散できる
- データに基づく改善:対応時間や件数のデータを分析し、業務フローの改善点を発見できる
- 目標管理の精度向上:チームや個人の目標に対する進捗をリアルタイムで把握し、適切なフィードバックが可能に
実際の導入事例では、コールセンターの現場および管理側の工数削減を合算し、月に約5.2人月(約830時間)の業務削減効果が見込まれ、現場からも業務的な負担が減ったという評価が寄せられているというデータも報告されています。
コールセンターに必要なkintoneの機能とは

コールセンター業務において、kintoneで実現できる顧客管理機能・案件管理機能・グラフ機能(集計機能)を適切に活用することで、顧客対応の品質向上と業務効率化を同時に実現できます。ここでは、コールセンター業務で特に重要となるkintoneの機能について詳しく解説します。
顧客管理機能の活用方法
kintoneの顧客管理機能とコールセンターシステムを連携することで、通話や顧客情報の管理を効率化できるメリットがあります。顧客管理機能は、コールセンター業務の基盤となる重要な機能です。
顧客情報を一元管理することで、オペレーターは電話対応中に必要な情報へ瞬時にアクセスできるようになります。過去の問い合わせ履歴や購買履歴などの情報をすぐにチェックできるため、顧客を待たせることなくスムーズな対応が可能です。
| 管理項目 | 具体的な内容 | 業務への効果 |
| 基本情報 | 会社名、担当者名、連絡先、住所など | 本人確認の時間短縮、正確な情報把握 |
| 問い合わせ履歴 | 過去の対応内容、担当者、対応日時 | 継続的な顧客対応、対応品質の均質化 |
| 購買履歴 | 購入商品、契約サービス、利用状況 | 適切な提案、クロスセル・アップセル機会の創出 |
| 対応ステータス | 現在の対応状況、優先度、対応期限 | 対応漏れ防止、優先順位の明確化 |
過去の応対履歴を確認できるようにすれば、どのオペレーターが応対をしても顧客の状況が把握できるようになり、対応品質のバラつきを防ぐことにつながる点も大きなメリットです。
また、kintoneの顧客管理機能は、ExcelやCSVファイルからのデータ取り込みが簡単にできるため、既存の顧客情報を活かしながらシステム移行がスムーズに進められます。マウス操作だけでカスタマイズできるため、IT専門知識がなくても自社の業務フローに合わせた顧客管理アプリを構築できます。
案件管理で対応漏れを防ぐには
コールセンターでは、日々多くの問い合わせや案件が発生します。案件管理機能を活用することで、すべての問い合わせを確実に追跡し、対応漏れを防ぐことができます。
kintoneの持つプロセス管理機能は、誰がどのステータスまで業務を進めているかを管理できるよう、業務に合わせた設計が可能で、コールセンターでの問い合わせに対する進捗管理機能としても役立つ特徴があります。
案件管理機能で実現できる主な機能は以下のとおりです。
- ステータス管理:「未対応」「対応中」「保留」「完了」などのステータスを設定し、案件の進捗状況を可視化できます。担当者やマネージャーが一目で対応状況を把握でき、滞留している案件を早期に発見できます。
- 担当者アサイン:案件ごとに担当者を明確に割り当てることで、責任の所在を明確にし、対応の抜け漏れを防ぎます。複数のオペレーターで引き継ぎが発生する場合も、担当者履歴を記録することで対応経緯が明確になります。
- 優先度設定:案件の緊急度や重要度に応じて優先度を設定し、対応順序を最適化できます。クレーム対応や緊急性の高い問い合わせを優先的に処理することで、顧客満足度の向上につながります。
- 期限管理:日時指定によるリマインド通知を設定でき、顧客が契約しているサービスの更新期日や後日連絡の約束などに対する漏れ・忘れの防止に役立つ機能があります。対応期限が近づくと自動的に通知されるため、期限切れを未然に防げます。
案件管理では、問い合わせの種別(商品に関する質問、クレーム、契約変更など)を分類することも重要です。種別ごとに対応フローやエスカレーションルールを設定しておくことで、適切な担当者へ迅速に案件を振り分けられます。
さらに、スペース機能内のスレッド機能を活用し、個別に連絡や相談が可能で、更にゲストスペースを作成すれば社外の人間ともやり取りでき、顧客サポート専用の掲示板としても活用できる点も、案件管理における協業体制の構築に役立ちます。複雑な案件では、社内の専門部署や外部パートナーとの連携が必要になることがありますが、kintone上でコミュニケーションを完結させることで、情報の分散を防ぎ、対応スピードを向上させられます。
レポート機能による分析の重要性
コールセンター業務の継続的な改善には、データに基づく分析と意思決定が不可欠です。kintoneのグラフ機能(集計機能)を活用することで、日々蓄積される顧客対応データから有益な洞察を得ることができます。
グラフ機能では、蓄積されたデータをグラフやチャートで視覚化し、業務のパフォーマンスや課題を明確にできます。各種統計情報を自動生成でき、管理画面からワンクリックで表示できるので業務効率がアップする利点があります。
コールセンターで特に重要な分析項目として、以下のような指標があります。
| 分析項目 | 確認できる内容 | 活用方法 |
| 問い合わせ件数推移 | 日別・週別・月別の問い合わせ件数、時間帯別の傾向 | 人員配置の最適化、ピーク時間への対策立案 |
| 対応時間分析 | 平均対応時間、案件ごとの処理時間、オペレーター別の対応時間 | 業務効率化のボトルネック発見、教育ニーズの把握 |
| 問い合わせ種別分析 | カテゴリー別の問い合わせ割合、よくある質問の傾向 | FAQの充実、予防的な顧客サポート施策の立案 |
| 対応品質評価 | 顧客満足度、再問い合わせ率、解決率 | オペレーター教育の改善、業務プロセスの見直し |
| オペレーター別実績 | 担当者ごとの処理件数、平均対応時間、解決率 | パフォーマンス評価、優秀な対応事例の共有 |
グラフ機能では、複数の条件を組み合わせたクロス集計も可能です。たとえば、「特定の商品カテゴリーに関する問い合わせのうち、クレームとなった案件の割合」や「新人オペレーターと経験者の平均対応時間の差」など、詳細な分析ができます。
また、グラフの「埋め込み用タグ」をカスタマイズ形式での一覧に配置することで、ダッシュボード形式で表示でき、マネージャーやスーパーバイザーがリアルタイムで業務状況を把握できます。コールセンターごとの稼働状況をグラフでリアルタイム表示でき、センターの状況がひと目でわかり応答率向上に役立つという利点もあります。
さらに、蓄積されたデータから顧客の声(VOC:Voice of Customer)を抽出し、商品開発やサービス改善に活かすこともできます。頻繁に寄せられる要望や不満を定量的に把握することで、経営判断の材料として活用できます。
レポート機能を定期的に活用し、週次や月次でのレビュー会議を実施することで、継続的な業務改善サイクル(PDCAサイクル)を回すことができます。データに基づいた客観的な議論ができるため、より効果的な改善施策の立案と実行が可能になります。
V Callプラグイン for kintoneで電話対応をさらに効率化

コールセンター業務において、kintoneと電話システムを連携させることで、業務効率を大幅に向上させることができます。V Callプラグイン for kintoneは、お使いのkintone管理アプリから直接「電話」と「SMS」を発信できるようにするプラグインであり、通話内容の自動録音やテキスト化により、コールセンターの対応品質向上に貢献します。
kintone上で電話発信から通話記録まで一元管理できることで、オペレーターの作業負担を軽減し、顧客対応のスピードと正確性を高めることが可能になります。
V Callプラグイン for kintoneの主な機能
V Callプラグイン for kintoneは、株式会社KDDIウェブコミュニケーションズが提供するkintone専用のプラグインです。コミュニケーションプラットフォーム(CPaaS)「Vonage」を用いて、kintone上で電話およびSMSを用いた顧客対応を行うために必要な機能を実現しています。
ワンクリック発信機能
kintone上に保管された電話番号へ、kintoneアプリのインターフェース上からワンクリックで電話発信できます。オペレーターが顧客情報画面を見ながら、電話番号を手入力する必要がなくなるため、ダイヤルミスを防ぎ、対応スピードが向上します。
顧客管理アプリや問い合わせ管理アプリに登録された電話番号をクリックするだけで発信できるため、複数のツールを行き来する手間が省けます。
通話録音と自動テキスト化機能
ひとつひとつの通話の発信時間、宛先番号、通話時間、通話内容を自動記録し、通話内容は録音されるほか、話者ごとに個別でテキスト化されます。この機能により、オペレーターが通話後に手作業で記録を残す時間が不要になります。
AI文字起こし機能により、通話内容がテキストデータとして保存されるため、キーワード検索や内容の振り返りが容易になります。これにより、品質管理やクレーム対応時の確認作業が効率化されます。
SMS送信機能
kintone上に保管された携帯番号へメッセージを入力し、直接SMSを送信できます。電話対応中に資料のURLや予約確認リンクを送る必要がある場合、口頭では伝えにくい情報をSMSで即座に共有できます。
通話中でもSMSを送信できるため、顧客を待たせることなくスムーズな対応が実現します。予約完了の通知や問い合わせ番号の送付など、コールセンターでよくある業務シーンで活用できます。
通話履歴の一元管理
通話内容は録音され、付属のテンプレートアプリにデータとして保管され、kintone上でいつでも確認できるほか、情報管理を一元で行えるようになっています。顧客レコードに紐づけて通話履歴を保存することで、過去の対応内容をすぐに参照でき、引き継ぎや再対応時の品質が向上します。
各通話には通話IDが付与されるため、音声品質の問題やシステムエラーが発生した際も、Vonageの管理画面から詳細な調査が可能です。
データセキュリティへの配慮
V Callプラグイン for kintoneは「通話の録音や文字起こしに関するデータには機微な情報が含まれるため、保有しない」という設計思想に基づいており、Vonage側で作成されたデータはすべてお客様のkintone上に保存され、Vonage側からは削除されます。コールセンターで扱う個人情報や機密情報を安全に管理できる設計となっています。
| 機能 | 内容 | コールセンターでのメリット |
| ワンクリック発信 | すべての通話を自動録音 | 品質管理、トラブル時の確認が容易 |
| AI文字起こし | 話者ごとに通話内容をテキスト化 | 記録作業の削減、キーワード検索が可能 |
| SMS送信 | kintoneから直接SMSを送信 | URL共有、確認通知の即時送付 |
| 通話履歴管理 | 発信時間、通話時間、内容を自動記録 | 顧客対応履歴の一元管理、引継ぎの円滑化 |
CTI連携によってどんな業務改善ができるのか
CTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターと電話システムを統合する技術です。V Callプラグイン for kintoneによるCTI連携により、コールセンター業務で次のような改善を実現できます。
顧客情報の即座な表示と対応品質の向上
kintoneの顧客管理アプリに登録された情報を参照しながら、同じ画面上で電話発信ができるため、顧客の過去の問い合わせ履歴や購入履歴を確認しながら対応できるようになります。
オペレーターが顧客情報を探す時間が不要になり、初回コンタクトから的確な対応が可能になります。顧客満足度の向上と対応時間の短縮を同時に実現できます。
手入力作業の削減と記録精度の向上
従来のコールセンターでは、オペレーターが通話後にメモを見ながら対応内容を入力する必要がありました。V Callプラグイン for kintoneでは、通話内容が自動的にテキスト化されてkintoneに保存されるため、記録作業にかかる時間を大幅に削減でき、人為的な入力ミスも防ぐことができます。
通話時間、対応内容、次回アクションなどの情報が自動的に記録されることで、オペレーターは対応そのものに集中できる環境が整います。
複数ツールの統合によるオペレーション効率化
多くのコールセンターでは、電話システム、顧客管理システム、対応履歴管理システムなど、複数のツールを併用しています。V Callプラグイン for kintoneを導入することで、kintone上で電話発信から記録管理までを完結でき、ツール間の切り替え時間を削減できます。
オペレーターの操作負担が軽減され、研修時間の短縮にもつながります。システム管理者にとっても、管理するツール数が減ることで運用負荷が下がります。
対応品質の標準化と分析の実現
通話内容がテキストデータとして蓄積されることで、どのような問い合わせが多いか、どの表現が顧客満足度を高めているかなど、データに基づいた分析が可能になります。
優秀なオペレーターの対応パターンをテキストから抽出し、トークスクリプトの改善やトレーニング資料の作成に活用できます。また、クレーム対応の振り返りにも活用でき、組織全体の対応品質向上につながります。
着信対応のカスタマイズ
V Callプラグイン for kintoneでは電話・SMSの発信のみを基本機能としています。ただし、Vonageを使って着信時の制御をカスタマイズすることができます。VonageのAI Studioを活用すれば、ドラッグアンドドロップの操作で着信フローを構築できます。
たとえば、営業時間外の自動応答設定、担当部署への自動振り分け、混雑時のコールバック予約など、コールセンターの運用に合わせた柔軟な設定が可能です。
導入コストの削減
V Callプラグイン for kintoneは月額利用料550円(税抜) でご利用いただけ、固定電話の回線や業務端末の用意も不要なため、電話業務にかかる費用の削減が期待できます。従来のCTIシステムでは高額な初期投資が必要でしたが、プラグイン形式により低コストで導入できる点が大きなメリットです。
| 業務改善項目 | CTI連携前の課題 | CTI連携後の改善効果 |
| 顧客情報の参照 | 電話を受けながら別システムで検索 | 同一画面で顧客情報を確認しながら対応 |
| 通話記録 | 通話後にメモを見ながら手入力 | 通話内容が自動でテキスト化され保存 |
| 電話発信 | 電話番号を見ながら手動ダイヤル | ワンクリックで正確に発信 |
| 情報共有 | 別途メールやチャットで共有 | kintone上で自動共有、リアルタイム確認 |
| 品質管理 | 録音を探して手動で確認 | テキスト検索で該当箇所をすぐに発見 |
V Callプラグイン for kintoneによるCTI連携は、コールセンター業務の効率化だけでなく、顧客満足度の向上やオペレーターの働きやすさの改善にも大きく貢献します。既存のkintone環境に追加する形で導入できるため、システム刷新の負担も最小限に抑えられます。
kintoneを活用したコールセンター業務の事例

コールセンター業務において、kintoneは顧客情報の一元管理や問い合わせ対応の効率化、対応品質の平準化といった目的で活用されています。企業規模や業種を問わず、さまざまな現場で導入・活用が進んでいます。
本章では、コールセンター業務でよく見られる活用パターンをもとに、代表的な事例を紹介します。
大規模コールセンターにおける活用事例
大規模な入電対応を行うコールセンターでは、苦情や問い合わせ情報をExcelで管理していたことで、以下のような課題を抱えているケースが多く見受けられます。
- 入力負荷の高さ
- 情報共有の遅れ
- 管理者側の集計・確認工数の増大
こうした環境において、kintoneを活用して苦情管理・問い合わせ管理用のアプリを構築することで、スーパーバイザーがオペレーターからの報告内容をその場で入力・共有できる運用が可能になります。
共通フォーマットによる入力により記載内容のばらつきや入力ミスが軽減され、
新人担当者であっても一定水準の情報登録が行えるようになるため、業務の均質化と対応品質の向上につながります。
また、管理側においても、複数のExcelファイルを確認・集計する手間が削減され、業務負担の軽減が期待できます。
BtoB企業のサポートセンターにおける活用事例
BtoB企業のサポートセンターやBPOサービスを提供する現場では、
複数の案件・顧客・業務フローを並行して管理する必要があり、柔軟な業務基盤が求められます。
このようなケースでは、kintoneを業務基盤として活用し、
- 案件ごとの業務管理
- 顧客別・業務別のアプリ構築
- 利用ユーザーや権限の管理
などを一元的に行うことで、案件ごとに最適化された業務環境を迅速に用意することが可能になります。
業務内容に応じてアプリを柔軟にカスタマイズできる点は、
多様な業務を扱うサポートセンターにおいて大きなメリットとなります。
中小規模の問い合わせ窓口における活用事例
中小規模の企業においては、問い合わせ対応や技術サポートを少人数で担っているケースも多く、電話対応と顧客情報管理を効率的に行う仕組みが求められます。
kintoneとCTIシステムを連携させることで、電話着信時に顧客情報や過去の対応履歴を即座に確認できる環境を構築することが可能です。
これにより、
- 電話番号の手入力作業
- 過去履歴の検索にかかる時間
といった負担が軽減され、対応スピードと正確性の向上が期待できます。
通話履歴や録音データを一元管理できる点も、問い合わせ対応の振り返りや品質管理に役立ちます。
これらの事例から、kintoneは特定の業種・規模に限定されることなく、コールセンター業務における情報管理の効率化、対応品質の向上、業務負担の軽減に貢献できることがわかります。
特に、既存のExcelやAccessによる管理からの移行を検討している企業にとって、プログラミング知識が不要で、現場主導で業務アプリを構築・改善できる点は、大きな導入メリットといえるでしょう。
コールセンターでkintoneを導入する際の注意点

kintone(キントーン)をコールセンターに導入することで、顧客情報の一元管理や業務効率化が実現できますが、スムーズな導入と定着のためには事前の準備と検討が欠かせません。ここでは、導入時に押さえておくべき重要なポイントを具体的に解説します。
導入前に確認すべきポイント
kintoneをコールセンターに導入する前に、まず自社の業務フローや課題を明確にすることが成功の鍵となります。単にシステムを導入するだけでは業務改善につながらず、現場の混乱を招く可能性があります。
業務要件の整理と優先順位の設定
導入前には、コールセンターで管理したい情報の種類や範囲を明確にしましょう。顧客情報、問い合わせ履歴、対応ステータス、エスカレーション管理など、どの業務をkintoneで管理するのかを具体的にリストアップします。すべての業務を一度に移行しようとすると現場の負担が大きくなるため、優先順位をつけて段階的に導入することが推奨されます。
セキュリティポリシーとの適合性確認
クラウドサービスであるkintoneにデータを保管することについて、自社のセキュリティポリシーに適合するかどうかの確認が必要です。特に顧客の個人情報を扱うコールセンターでは、情報漏洩対策やアクセス権限の管理、データのバックアップ体制などを慎重に検討しなければなりません。金融業界や保険業界など、厳格なセキュリティ要件がある業種では、社内の情報システム部門やセキュリティ担当者と十分に協議することが重要です。
コスト試算と投資対効果の検討
kintoneの導入には、月額利用料のほかに初期設定やアプリ構築、カスタマイズにかかる費用を考慮する必要があります。CTI連携などの外部システムとの連携を行う場合は、追加のプラグイン費用や連携サービスの利用料も発生します。導入によって削減できる工数や業務効率化の効果を具体的に試算し、投資対効果を明確にしておきましょう。
運用体制の確立
kintone導入後の運用体制も事前に検討しておくべきポイントです。アプリの管理者は誰が担当するのか、アプリの修正やカスタマイズは誰が行うのか、トラブル発生時の対応フローはどうするのかなど、運用ルールを明確にしておくことで、導入後のスムーズな定着が期待できます。
既存システムとの連携で気をつけることは
コールセンターでは、すでにCTIシステムや電話システム、顧客管理システムなどが稼働していることが多く、kintoneとこれらの既存システムとの連携方法を慎重に検討する必要があります。
CTI連携の実現方法と制約
kintone自体には電話の発着信機能がないため、コールセンターで活用するにはCTIシステムとの連携が不可欠です。連携方法には、プラグインを利用する方法、API連携を行う方法、外部サービスを経由する方法などがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。導入前に、利用しているCTIシステムがkintoneと連携可能かどうかを確認し、連携に必要な設定や費用を把握しておきましょう。
| 連携方法 | メリット | デメリット |
| 専用プラグイン | 設定が簡単で導入しやすい、サポートが充実している | 対応しているCTIシステムが限られる、追加費用が発生する場合がある |
| API連携 | 柔軟なカスタマイズが可能、独自の要件に対応できる | 開発スキルが必要、開発コストと時間がかかる |
| 外部連携サービス | 複数システムをまとめて連携できる、ノーコードで設定可能 | サービス利用料が必要、連携できる機能に制限がある場合がある |
データ移行の計画と実行
既存システムからkintoneへのデータ移行は、導入における重要なステップです。顧客情報や過去の対応履歴などのデータをkintoneに移行する際には、データの形式やフィールドの対応関係を整理し、移行後のデータ検証を行う必要があります。特に大量のデータを移行する場合は、段階的に移行を進め、テスト環境で動作確認を行ってから本番環境に移行することが推奨されます。
システム間のデータ整合性の確保
複数のシステムを並行して運用する場合は、データの整合性を保つ仕組みが必要です。例えば、CTIシステムとkintoneの両方で顧客情報を管理する場合、どちらのシステムをマスターデータとするのか、データの同期タイミングはどうするのか、どのような仕組みで同期するのかなど、運用ルールを明確にしておきましょう。データの二重管理による不整合が発生すると、現場の混乱や顧客対応の品質低下につながる可能性があります。
既存ワークフローへの影響評価
kintone導入によって既存の業務フローがどのように変わるのかを事前に評価し、現場への影響を最小限に抑える工夫が必要です。従来のシステムでの作業手順が大きく変わる場合は、現場スタッフからの抵抗が生じる可能性もあるため、導入の目的やメリットを丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。
スタッフへの教育体制の整え方
どれほど優れたシステムを導入しても、現場のスタッフが使いこなせなければ効果は得られません。kintoneの定着には、計画的な教育体制の構築が不可欠です。
段階的なトレーニング計画の策定
kintoneの機能は多岐にわたるため、一度にすべてを教えようとすると現場が混乱します。まずは基本的な操作方法や日常業務で使用する機能に絞ってトレーニングを実施し、慣れてきたら応用的な機能や分析機能の活用方法を教えるといった段階的なアプローチが効果的です。導入初期には、実際の業務に即した実践的な演習を取り入れることで、スタッフの理解度が高まります。
役割別の教育内容の設定
コールセンターでは、オペレーター、スーパーバイザー、管理者など、役割によって必要なスキルが異なります。オペレーターには顧客情報の検索や対応履歴の入力方法を中心に、スーパーバイザーにはエスカレーション管理やステータス管理を、管理者にはグラフ機能やアプリのカスタマイズ方法を教えるなど、役割に応じた教育内容を設定しましょう。
マニュアルとFAQの整備
研修だけでは十分ではなく、日常業務の中で疑問が生じたときにすぐに参照できるマニュアルやFAQを整備しておくことが重要です。操作手順を画面キャプチャ付きで説明したマニュアルや、よくある質問をまとめたFAQを用意し、kintone上で共有しておくことで、スタッフが自己解決できる環境を整えます。特に新人オペレーターでも理解しやすいように、わかりやすい言葉で記載することを心がけましょう。
キーパーソンの育成とサポート体制
各チームにkintoneに詳しいキーパーソンを育成し、現場での疑問に即座に対応できるサポート体制を構築することが推奨されます。すべての質問を管理者や情報システム部門に集中させると対応が遅れるため、現場レベルで解決できる仕組みを作ることで、スムーズな定着が期待できます。キーパーソンには、定期的に勉強会や情報共有の場を設け、スキルアップの機会を提供しましょう。
フィードバックと改善の仕組み
導入後も継続的に現場からのフィードバックを収集し、使いにくい点や改善が必要な部分を把握することが重要です。定期的にアンケートやヒアリングを実施し、現場の声をアプリの改善に反映させることで、より使いやすいシステムに育てていくことができます。特に導入初期は、スタッフが感じる不便さや疑問点を積極的に吸い上げ、迅速に対応することで、システムへの信頼感が高まります。また、現場の声を反映したシステム改修を行っていくことで、自分たちのシステムとなっていき、更なる改善の声が上がるように取り組んでいくことも重要なポイントです。
継続的な学習機会の提供
kintoneは定期的に新機能が追加されたり、プラグインの種類が増えたりするため、継続的な学習機会を提供することも大切です。定期的な勉強会や事例共有会を開催し、他部署での活用事例や便利な使い方を共有することで、スタッフのスキル向上とモチベーション維持につながります。
kintoneでコールセンターアプリを構築する手順

kintoneを使ってコールセンター向けのアプリを構築する際は、業務フローを明確化し、段階的にアプリを設計することが成功の鍵となります。この章では、基本的なアプリ設計から顧客対応フローの落とし込み、カスタマイズによる最適化まで、実践的な手順を詳しく解説していきます。
基本的なアプリ設計の考え方
kintoneでアプリを構築する際は、まずkintoneにログインし、画面右側の「アプリ」欄にある「+」をクリックしてアプリ作成画面にアクセスします。コールセンター業務では、顧客管理・問い合わせ管理・対応履歴管理の3つの基本機能が必要となるため、それぞれの目的に応じたアプリ設計を行うことが重要です。
アプリ設計の最初のステップとして、「はじめから作成」を選択するか、アプリストアから「顧客サポートパック」などのアプリパックを追加する方法があります。初めてコールセンターアプリを構築する場合は、アプリストアから「顧客サポートパック」を追加することで、必要な機能があらかじめ組み込まれた状態からスタートできます。
コールセンターアプリに必要な基本フィールド
コールセンター業務に特化したアプリを設計する際には、以下のフィールドを含めることが推奨されます。
| 用途 | フィールド種類 | 設定のポイント |
| 顧客名、会社名、担当者名 | 文字列(1行) | 必須項目に設定し入力漏れを防ぐ |
| 顧客の連絡先 | 文字列(1行)電話番号 | フィールドコードを「TEL」に設定しCTI連携を可能にする |
| 問い合わせ日時、対応完了日時 | 日時 | 自動入力設定で入力の手間を削減 |
| 対応完了日 | 日付 | 自動入力設定で入力の手間を削減 |
| 問い合わせ種別、対応ステータス | ドロップダウン | 選択肢を事前に定義し入力を統一化 |
| 問い合わせ内容、対応内容 | 文字列(複数行) | 十分な入力スペースを確保 |
| 対応者、担当オペレーター | ユーザー選択 | アクセス権と連動させ担当者のみ編集可能に |
| 過去の問い合わせ履歴 | 関連レコード一覧 | 顧客管理アプリと連携し履歴を自動表示 |
アプリ設計時の注意点
アプリ名の統一ルールを用意することで、同じ目的や不必要なアプリが多数できてしまうことを防ぎ、必要なアプリを見つけやすくなります。例えば「コールセンター_顧客管理」「コールセンター_問い合わせ管理」のように、業務内容が一目でわかる命名規則を設定しましょう。
また、マスタアプリ(顧客名簿や商品情報などの基本情報を管理するアプリ)が一元管理できていると、正確な情報をみんなが参照できるようになり、表記揺れを防ぎデータ入力に誤りがなくなったり、集計や分析を正しく行えるようになります。複数のアプリで顧客情報を参照する場合は、必ず1つのマスタアプリから情報を取得する設計にしましょう。
顧客対応フローをアプリに落とし込む方法
コールセンターの業務フローをkintoneアプリに効果的に落とし込むには、現場の実際の対応手順を可視化し、それをアプリの機能として実装することが重要です。
ステップ1:業務フローの可視化
まず、コールセンターでの典型的な顧客対応フローを整理します。一般的な流れは以下のようになります。
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着信受付(顧客情報の自動表示)
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本人確認と用件のヒアリング
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過去の問い合わせ履歴の確認
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問題の解決または担当部署への引き継ぎ
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対応内容の記録と完了報告
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フォローアップの必要性判断
ステップ2:プロセス管理機能の設定
kintoneのプロセス管理機能は、現在のステータスが何で、担当しているのは誰かを管理する機能で、業務に合わせた設計が可能です。問い合わせ管理アプリにプロセス管理を設定することで、対応状況を視覚的に把握できるようになります。
プロセス管理の設定例として、以下のようなステータスを定義します。
| ステータス | 説明 | 作業する担当者 |
| 受付 | 問い合わせを受け付けた初期状態 | 全オペレーター |
| 対応中 | オペレーターが対応を開始した状態 | 担当オペレーター |
| 保留 | 追加調査や他部署の確認が必要な状態 | 担当オペレーター、スーパーバイザー |
| エスカレーション | 上位担当者への引き継ぎが必要な状態 | スーパーバイザー、管理者 |
| 解決済み | 問題が解決し顧客への回答が完了した状態 | 担当オペレーター、スーパーバイザー |
| 完了 | フォローアップまで含めすべて完了した状態 | スーパーバイザー、管理者 |
また、作業する担当者として、「次のユーザーから作業者を選択」「次のユーザー全員」「次のユーザーの内1人」が選択でき、次のステータスへの承認対象者を決めることができます。
ステップ3:リマインド機能の活用
日時指定による「リマインド通知」を設定することで、顧客が契約しているサービスの更新期日や後日連絡の約束などに対する漏れ・忘れの防止に役立ちます。コールセンターでは、約束した折り返し電話や期限付きの対応が多いため、リマインド機能を積極的に活用しましょう。
リマインド設定の具体例として、「対応期限の1日前」「フォローアップ予定日の当日朝」などのタイミングで通知を設定することで、対応漏れを確実に防ぐことができます。
ステップ4:CTI連携による自動化
kintone側で電話番号へのリンクを設定し、フィールドの種類を「文字列(1行)」、フィールドコードを「TEL」に設定することで、CTI連携の設定が分かりやすくなります。これにより、コールセンターへの着信応答時に顧客発信電話番号を条件として、kintoneの顧客管理アプリに登録されているかを検索し、問い合わせ管理アプリに問い合わせ履歴を自動作成することができます。
カスタマイズで業務に最適化するには
基本的なアプリ構築が完了したら、現場の業務に合わせたカスタマイズを行い、さらなる効率化を実現します。
JavaScript/CSSによるカスタマイズ
kintoneではJavaScriptやCSSを使用して、標準機能では実現できない独自のカスタマイズが可能です。コールセンター業務で役立つカスタマイズの例として、以下のようなものがあります。
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優先度の高い問い合わせを目立つ色でハイライト表示
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対応時間の自動計算と表示
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顧客満足度アンケートの自動送信機能
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頻出する問い合わせ内容の定型文挿入ボタン
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対応履歴の自動集計とグラフ表示
プラグインの活用
プログラミング知識がなくても、kintoneプラグイン・連携サービスを参照して、様々なプラグインをインストールすることで、機能を拡張できます。コールセンター業務に特化したプラグインとして、CTI連携プラグインや通話録音の文字起こしプラグインなどがあります。
外部サービスとの連携設定
kintoneと他のシステム、サービスを連携させ、業務システムをカスタマイズできます。コールセンターシステムとの連携により、着信と同時にkintoneに記録されている顧客情報を自動で表示したり、kintoneの画面上に表示される顧客の電話番号をクリックするだけで発信できるようになります。
外部サービスとシステム連携する場合は、管理者に事前相談し、システム連携の許可が出ている場合は「アプリ管理者用メモ」や「APIトークン」画面のメモなどに利用目的や担当者を記載しましょう。セキュリティ面での配慮も忘れずに行うことが重要です。
グラフ機能による分析とPDCA
アプリ構築後は、kintoneのグラフ機能を活用して業務分析を行い、継続的な改善を実施します。分析に役立つグラフの例として、以下のようなものがあります。
| レポート種類 | 分析内容 | 改善アクション |
| 問い合わせ種別別件数 | どの種類の問い合わせが多いか | FAQ作成、マニュアル改善 |
| オペレーター別対応件数 | 担当者ごとの業務負荷 | 業務の平準化、適切な人員配置 |
| 平均対応時間 | 問い合わせ解決までの時間 | 業務プロセスの見直し |
| ステータス別滞留時間 | どの段階で時間がかかっているか | ボトルネックの解消 |
| 時間帯別問い合わせ件数 | 問い合わせのピーク時間 | シフト配置の最適化 |
定期的にグラフを確認し、現場の声を取り入れながらアプリを改善していくことで、コールセンター業務に最適化されたシステムを構築できます。アプリは一度作って終わりではなく、運用しながら継続的に改善していくことが成功の秘訣です。
よくある質問(FAQ)
kintoneはコールセンター業務にどのように役立ちますか?
kintoneを活用することで、顧客情報の一元管理、問い合わせ履歴の共有、対応状況のリアルタイム把握が可能になります。ノーコード・ローコードで業務に最適化されたアプリを構築できるため、コールセンター特有の業務フローに柔軟に対応でき、対応品質の向上と業務効率化を同時に実現できます。
V Callプラグイン for kintoneとは何ですか?
V Callプラグイン for kintoneは、kintoneと電話システム(CTI)を連携させるプラグインです。kintone上から直接電話をかけられるクリックtoコール機能、SMS送信機能、通話履歴の自動記録・通話録音データの保存機能などを提供します。これらの機能により、kintoneのレコード情報と通話業務がシームレスに連携し、業務効率が大幅に向上します。手入力の手間を削減し、対応漏れを防ぐことができます。
kintoneをコールセンターに導入する際の初期費用はどのくらいですか?
kintoneの利用料金は月額課金制で、ユーザー数や契約プランによって異なります。導入前には既存システムとの連携要件やカスタマイズの範囲を確認し、全体的なコストを見積もることが重要です。具体的な費用については、サイボウズ株式会社または導入支援パートナーに問い合わせることをおすすめします。
既存のCRMシステムからkintoneへ移行できますか?
既存のCRMシステムからkintoneへのデータ移行は可能です。CSV形式でのデータエクスポート・インポートに対応しており、APIを活用した連携も実現できます。ただし、データ構造の整理や移行手順の計画が必要なため、導入前に既存システムとの連携方法を十分に検討することが重要です。
kintoneのアプリ構築に専門知識は必要ですか?
kintoneはノーコード・ローコードツールであるため、プログラミングの専門知識がなくても基本的なアプリ構築が可能です。ドラッグ&ドロップの直感的な操作でフィールドを配置し、業務フローに合わせた設定ができます。より高度なカスタマイズが必要な場合は、JavaScriptによる拡張も可能です。業務システムとしての拡張性や堅牢性などを考慮すると、専門知識を有するkintone導入パートナーなどのサポートを受けるとより良いです。
コールセンタースタッフへの教育はどのように行えばよいですか?
kintoneは直感的な操作性が特徴ですが、導入時には業務フローに沿った実践的な研修を行うことが効果的です。マニュアルの整備、ロールプレイング形式の練習、段階的な機能展開などを組み合わせることで、スタッフがスムーズに新システムに適応できます。サイボウズ公式のトレーニングサービスも活用できます。
kintoneでコールセンターの対応品質を測定できますか?
kintoneのグラフ機能を活用することで、対応件数、平均対応時間、問い合わせ内容の傾向などを可視化し、定量的に品質を測定できます。グラフやチャートで直感的にデータを把握でき、改善点の発見や業務改善に役立てることができます。
まとめ
kintone(キントーン)は、コールセンター業務の効率化に大きく貢献できるプラットフォームです。顧客情報の一元管理、問い合わせ履歴の共有、対応状況のリアルタイム把握といった、コールセンター業務の主要な課題を解決できます。
特に、「V Callプラグイン for kintone」を活用することで、CTI連携による電話対応の効率化がさらに進みます。着信時のカスタマイズを実施することで、顧客情報自動表示をしたり、通話内容の自動登録により、手入力の手間を削減と対応品質の向上と業務効率化を同時に実現できます。
導入にあたっては、既存システムとの連携方法の確認、スタッフへの適切な教育体制の整備、業務フローに合わせたアプリ設計が重要です。ノーコード・ローコードの特性を活かし、現場の声を反映しながら段階的にカスタマイズしていくことで、自社に最適なコールセンターシステムを構築できます。
大手通販企業やBtoB企業、中小企業など、さまざまな規模・業種の企業でkintoneのコールセンター活用事例が報告されており、対応漏れの防止、顧客満足度の向上、業務効率化などの成果が実証されています。
V Callプラグイン for kintoneの詳細な機能や導入メリット、活用方法については、「V Callプラグイン for kintone サービスガイド」をダウンロードしてご確認ください。コールセンター業務の課題解決に向けた具体的な情報が掲載されています。
※「kintone」、「キントーン」の名称およびロゴは、サイボウズ株式会社の登録商標または商標です。
執筆・監修者
株式会社AISIC 代表取締役 CEO(kintoneエバンジェリスト)
- カテゴリ:
- kintone