
リードの獲得から育成、受注までの一連の業務を担うインサイドセールス。企業において、欠かせない部門のひとつと言えます。しかし業務内容が多岐にわたることもあり、いつの間にか非効率な運用になってしまっていた、という課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、インサイドセールスを効率化するための具体的な方法と手順をご紹介します。自社のインサイドセールスの効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インサイドセールスとは、メールや電話、ビデオ会議ツールといった遠隔の手段を用いて顧客とコミュニケーションをとる営業活動を指します。リードの選定からアプローチ、フォローアップまで多くのプロセスを含むため、ひとつひとつのプロセスの効率化が重要です。
インサイドセールスでは、はじめにアプローチすべき顧客リストの作成を行います。適切な顧客にアプローチするには、マーケティング活動を通じて収集した情報をもとに、最適なリストを作成する必要があります。
その後、作成したリストをもとに架電やDM・メール配信などのアプローチを行い、顧客との接触を試みます。さらに、フォローアップにより段階的に顧客との関係性を構築し、最終的に制約につなげるという流れです。
この一連の業務には膨大な手間と労力を要し、ターゲット規模が大きくなればなるほど負担は増えていきます。そのため、非効率なまま実施されているプロセスが多いと、担当者のモチベーション低下や人材育成・教育の時間不足による応対品質の低下を招きかねません。応対品質が低下すれば、顧客との関係性を構築できず、受注の取り逃しや解約リスクが高まります。
そのような事態を防ぎ、効果的にリードを獲得・育成し、組織全体の生産性を向上させるためにも、インサイドセールスの効率化は不可欠なのです。
インサイドセールスの効率化を実現するためには、段階を踏んで現状の課題を把握し、対策を講じていく必要があります。ここでは、それぞれの工程について見ていきましょう。
最初に現在の業務内容を洗い出し、どの業務がどれだけの時間やリソースを消費しているかを整理しましょう。 企業によっては営業担当者ごとに異なる業務フローを採用しているケースもあります。そのため個々の担当者にヒアリングを行いながら、組織全体の実態を明確にすることが大切です。
現状を整理できたら、重複している業務や不要な業務、過剰に手間がかかっている業務など、課題となる業務を見つけ出しましょう。たとえば「同じデータをExcelとCRMの両方に手入力している」や「手動でリードの情報を更新する」といったことが挙げられます。
自社の課題が明確になったら、それぞれに優先順位をつけていきます。改善が急がれる業務や効果が大きい業務から取り組むことで、早期に効率化の成果を実感できるでしょう。
たとえば「単純な事務作業に時間を取られている」といった場合にはテンプレートを作成して活用するなど、作業時間を短縮できる領域から着手するのが効果的です。
優先順位の高い業務から順に、具体的な行動計画や改善方法を立案していきます。単に不要な業務を削減するのではなく、それぞれの業務をどのように改善できるかという視点を大切にしましょう。場合によってはチームだけでなく、組織全体で協力しながら進めなければならないケースもあるため注意が必要です。
具体的には業務フローの再編成、CRMやSFA、MAなどの新しいツールの導入検討などが挙げられます。
ここからは、インサイドセールスを効率化するための具体的な方法をご紹介します。
KPIを共有することで、チームや組織全体が向かうべき方向が明らかになり、モチベーションや生産性の向上を図れます。
冒頭で述べたように、インサイドセールスは煩雑かつ多岐にわたる業務が求められるため、非効率な状態で続けていてはモチベーションや生産性の低下を招きかねません。KPIが共有されていれば、チームの目標やその進捗状況が可視化されるため、一丸となって取り組みやすい環境を作れます。
ただし、いきなり高難易度のKPIを設定してしまうと、ハードルの高さから従業員がプレッシャーやストレスを感じてしまう可能性もあります。過去の実績を考慮しながら現実的な目標を定め、着実に達成していくことがポイントです。
インサイドセールスのKPIについて、こちら(リンク)の記事で詳しくご紹介しています。
インサイドセールス業務では、マーケティング部門やフィールドセールス部門といった他部署との関わりも欠かせません。そのためチーム内だけでなく、組織内の各部署との連携を強化することも必要です。
たとえばマーケティング部門が獲得したリードを素早く引き継げば、興味関心が高まっているタイミングでのアプローチが可能になり、早期に商談に結びつく可能性があります。またフィールドセールス担当者から、実際に顧客と接点を持った後のフィードバックを受けることで、インサイドセールスチームにおけるヒアリング・アプローチ方法を効率的に改善できるでしょう。
このように、組織内における他部署との連携の強化は、インサイドセールスチームのみならず、組織全体の業務効率改善に寄与します。
インサイドセールスを効率化するためには、確度の高いターゲットに絞ってアプローチすることがポイントです。無駄な営業活動を削減し、成約の可能性が高いリードに集中することで、より受注に結びつきやすくなるでしょう。
リードを絞り込む際は、ターゲットリストを業種や規模、ニーズなどで細かく分け、自社の商品やサービスに最適な見込み客を見極めることが重要です。たとえば1000件の顧客リストを持っている場合、そのすべてにアプローチするのではなく、「自社の得意分野である小売業を展開しているのはどの顧客か」などの企業特性に応じて少数に絞っていくと、より確度の高いリードが残るでしょう。
トークスクリプトの厳選と整理も、インサイドセールス業務の効率化に寄与します。架電時に話の順序や受け答えを決めておくことで、会話が無駄に長くならず、短時間での目標達成が見込めます。
スクリプトには多くのパターンがありますが、見込み客の状況や課題に即した質問を厳選することで、無駄なく効率的な商談を進められるでしょう。マーケティング部門やセールスフィールド部門と協力して、スクリプトに必要な質問項目を検討するのが望ましいです。
インサイドセールスの効率化のためには、教育体制の整備も欠かせません。基本となる教育カリキュラムをしっかりと用意し、必要なタイミングで必要な教育を受けられる仕組みを作りましょう。
たとえば営業スキルや社内システムの使い方をカリキュラムに組み込めば、新入社員や異動者が配属された際にも、既存のカリキュラムに沿って教育を進められます。また人員に余裕があるならば、教育専任のチームを立ち上げ、そのチームにメンバーの育成を任せる方法も有効です。
メールやDMを作成する際にテンプレートを事前に用意しておくことで、業務の効率化が図れます。
一人ひとりに合わせた文面を作成するのは非常に手間がかかる作業です。そのため、「イベントの案内」や「セール情報のお知らせ」など、送るシチュエーションに応じて基本的なテンプレートを準備しておき、文面作成の負担を削減しましょう。
その後、個別の内容を加えて個人のニーズにあわせることで、効果的な営業用メールやDMを短期間で完成させられます。
インサイドセールスの業務の効率化は、ツールの活用がカギを握ります。その代表的なツールが、MAツール・SFA・CRMや、クラウドコールセンターシステムです。
MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入することで、リードのスコアリングやメール配信の自動化、フェーズごとのアプローチ管理が可能になり、対応漏れや属人化のリスクを軽減できます。
またCRMやSFAを活用すれば、顧客情報や営業の対応履歴を一元管理でき、進捗状況の可視化や商談管理の効率化が図れます。情報の集約により、マーケティング・営業・カスタマーサクセスなど他部署との連携も円滑に進められるでしょう。
インサイドセールス全体の生産性を向上させるには、AIを搭載したクラウド型コールセンターシステムの導入もおすすめです。
従来、架電業務はスキルや経験に依存しやすく、応対品質にバラつきが出やすい領域でしたが、AIによって以下のような改善が可能になります。
業務効率化だけでなく、応対品質の向上・トーク精度の改善・成約率の引き上げといった成果も期待できるのが魅力です。
音声解析AIを搭載したMiitelは、これらの機能を備えたクラウドIP電話&クラウドコールセンターサービスです。通話の録音・文字起こし・要約からトーク分析までを自動で行い、インサイドセールスの業務効率化を強力にサポートします。
インサイドセールスのツールについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
インサイドセールスの効率化施策は、一度設定して終わりではなく、定期的な見直しと改善が不可欠です。
施策を実行した後は、その効果を客観的に検証して現状の課題やボトルネックを特定したり、改善策を検討したりしましょう。たとえば「架電のスクリプトが効果的でない」場合には、トークの流れを見直したりより適切な質問を追加したりすることで成果向上につなげられます。
見直し・改善のサイクルを回しながら施策をブラッシュアップすることで、施策の再現性を高め、より効率的かつ安定した成果を出せる体制の構築が可能となるのです。
MiiTelは音声解析AIを搭載したクラウドIP電話&クラウドコールセンターサービスです。PCとヘッドセット、インターネット環境さえ整っていれば、固定電話いらずでどこからでもクリアな音質で通話できます。
また独自機能として、音声解析AIを活用した通話内容の録音、文字起こし、内容要約、感情分析をすべて自動で行えます。これにより担当者が顧客と「何を」「どのように」話しているのかを解析・可視化でき、電話応対の課題であるブラックボックス化を解消できます。
さらに応対記録を自動でデータ化できるため、議事録作成や報告といった事務作業の工数を減らせます。担当者がコア業務へ注力できるほか、蓄積されたデータをもとにしたセルフコーチングも可能です。さらに成績優秀者の話し方を分析してマニュアル化することで応対品質の向上や均一化も実現。生産性はもちろん、商談獲得率や成約率の向上にもつながるでしょう。
クラウドコールセンターの導入を検討されている方は、ぜひ一度MiiTelをお試しください。
インサイドセールスの効率化は、担当チームはもちろん、組織全体の生産性をも向上させます。現状の業務課題を洗い出し、優先順位をつけて改善策を実行していきましょう。KPIの設定と共有や、他部署との連携強化、ターゲットの絞り込みなど、多角的なアプローチで効率化を進めることが重要です。
クラウドコールセンターシステム「MiiTel」は、インサイドセールスの効率化に必要不可欠な機能を網羅しており、大きな効果が期待できます。業務の自動化や最適化を通じてインサイドセールスチームの生産性を飛躍的に高めたい方は、ぜひ「MiiTel」の導入をご検討ください。