kintoneで勤怠管理システムは構築できる?活用する5つのメリットや構築方法を解説
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久米 純矢 株式会社AISIC 代表取締役 CEO(kintoneエバンジェリスト)
タイムカードやExcelでの勤怠管理に手間を感じている企業は多いのではないでしょうか。手作業での集計や転記が発生するため、計算ミスや入力漏れなどのヒューマンエラーが起こりやすい点も課題です。
kintoneを活用すれば、スマートフォンやタブレットからの打刻に対応しながら、自社の就業ルールに合わせた勤怠管理システムを構築できます。
この記事でわかること
- kintoneで勤怠管理を行うメリット
- kintoneで勤怠管理を行うための構築方法や設定時のポイント
- kintoneで勤怠管理を行う際に注意すべき点
本記事では、kintoneで勤怠管理を行うメリットや構築方法、設定時のポイントや注意点について詳しく解説します。kintoneを活用して、効率的かつ正確な勤怠管理を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
kintoneを使えば勤怠管理システムを構築できる

顧客管理システムや日報アプリを構築できるkintoneですが、勤怠管理システムを構築することも可能です。スマートフォンやタブレットがあればどこからでも打刻できるほか、クラウド上で勤務情報を保管・閲覧できます。
標準機能やサンプルアプリを活用すれば、専門知識がなくても比較的スムーズに始められる点も特徴です。タイムカードやExcelでの集計作業に手間を感じている企業にとって、ペーパーレス化や集計業務の効率化が期待できます。
kintoneで勤怠管理システムを構築するメリット

kintoneで勤怠管理システムを構築すると、従来のタイムカードやExcel管理では得られなかった、以下のようなメリットを享受できます。
- スマートフォン・タブレットでどこからでも打刻・承認できるようになる
- 自社の就業ルールに合わせて柔軟にカスタマイズできる
- 勤怠情報のデータ化により、集計・管理業務を効率化できる
- 法令遵守や監査対応を意識した勤怠管理が行える
それぞれ見ていきましょう。
スマートフォン・タブレットでどこからでも打刻・承認できるようになる
kintoneはクラウドサービスのため、スマートフォンやタブレットがあればオフィス以外の場所からでも勤怠の打刻や各種申請、承認が可能です。出先や出張先、テレワーク環境など、タイムカード機器が設置されていない場所でもPCやスマートフォンを使って対応できます。
打刻情報はリアルタイムで反映されるため、締め日にならないと勤務状況が見えないといった従来のタイムカードの運用にありがちなタイムラグも発生しません。また、残業申請や休暇申請の承認もスマートフォンから行えるため、上長の外出や不在によって対応が滞るケースを減らせるでしょう。
自社の就業ルールに合わせて柔軟にカスタマイズできる
自社の就業ルールに合わせて柔軟に設計・変更できる点も、kintoneで勤怠管理システムを構築するメリットの一つです。市販の勤怠管理ソフトでは対応が難しい独自ルールも、ノーコードで項目や入力形式を調整できます。
たとえば、以下のような休暇区分も、自社の制度に合わせて簡単に追加可能です。
- 有休
- 代休
- 振替休日
- 夏休み
- 冬休み
- 研修休暇
- 忌引休暇
また、プロセス管理機能を使えば、部署や役職に応じた承認フローも柔軟に設定できます。
最初はシンプルな構成で運用を始め、実態に合わせて改善していけるため、制度変更や運用見直しにも対応しやすいです。現場の声を反映しながら、自社に最適な勤怠管理の仕組みを整えられます。
勤怠情報のデータ化により、集計・管理業務を効率化できる
kintoneで勤怠管理システムを構築し、打刻や申請情報をデジタルデータとして蓄積することで、集計や管理の効率化が期待できます。計算式を設定しておけば、労働時間や残業時間が自動で算出されるため、手作業による転記ミスや計算ミスを未然に防げるでしょう。
また、勤怠データを給与計算やプロジェクト別の工数管理など、ほかの業務データと連携させることも可能です。単に勤怠情報を記録するだけでなく、労働環境の分析や業務改善に活かせる点も、kintoneで勤怠管理を行う利点といえます。
法令遵守や監査対応を意識した勤怠管理が行える
kintoneで勤怠管理システムを構築してデジタル化することで、法令遵守や監査対応を意識した運用を実現しやすくなります。
労働基準法では、出勤簿などの労働関係書類を一定期間保存することが求められています。その点、kintoneなら勤怠データをクラウド上で安全に管理でき、紙の場合に起こりやすい紛失といったリスクを大幅に抑えられるでしょう。また、アプリの初期設定で、変更履歴を残す設定になっているため、「いつ・誰が・どこを修正したか」を正確に把握でき、監査時にも客観的な説明が可能です。
さらに、残業時間が基準を超えそうな際のアラート機能など、36協定を意識した管理設計も柔軟に行えます。事後対応に頼らない労務リスクの早期発見と予防を強力にサポートしてくれます。
kintoneで勤怠管理システムを構築する方法

kintoneで勤怠管理システムを構築する主な方法は、以下の2点です。
- サンプルアプリを利用する
- 必要に応じて外部サービス・プラグインを活用する
ここでは、それぞれの方法について具体的にご紹介します。
サンプルアプリを利用する
kintoneで勤怠管理システムを構築する際は、kintoneアプリストアで無償公開されているサンプルアプリを活用すると導入がスムーズです。あらかじめ勤怠管理に必要な項目や機能が用意されているため、ゼロから設計する必要がなく、自社の運用に合わせて調整しながら導入を進められるでしょう。
代表的なアプリとして、「タイムカード」「タイムカード(月次版)」「タイムカード(IF関数搭載版/月次版)」の3つが挙げられます。
タイムカード
タイムカードは、勤怠管理の基本となるアプリです。出勤時刻・退勤時刻を入力することで、その日の勤務時間を自動で算出できます。
勤怠申請のほか、残業申請や休暇申請といった上長への申請・承認も、このアプリからワンクリックで完了します。kintone上で打刻から承認までを一元化できる点が特長です。
タイムカード(月次版)
タイムカード(月次版)は、1ヶ月分の勤怠情報をリストで管理できるアプリです。日々の打刻情報を月単位でまとめて確認できるため、月次集計や締め作業の効率化につながるでしょう。
変更履歴を記録することができるため、修正内容を後から確認しやすく、勤怠データの管理精度を高められる点も特長です。また、登録データはCSVとしても書き出せるため、人事給与システムへのインポートなどにも活用できます。
タイムカード(IF関数搭載版/月次版)
タイムカード(IF関数搭載版/月次版)は、「タイムカード(月次版)」にIF関数などを組み込むことで、勤怠状況に応じた勤務時間や残業時間を自動で算出できるアプリです。
出退勤時刻を入力するだけで、あらかじめ設定したルールに基づき、各時間帯への振り分けが自動で行われます。たとえば、「通常勤務」「早退」「午後休」といった勤怠区分ごとの計算が可能なため、手作業による判断や集計の手間を減らせるでしょう。
必要に応じて外部サービス・プラグインを活用する
kintoneの標準機能やサンプルアプリで基本的な勤怠管理を構築したうえで、必要に応じて外部サービスやプラグインを組み合わせれば、さらに運用の幅を広げられます。
たとえば、ICカード・交通系カードやチャットツール、電話発信を利用した記録など、現場の働き方に最適な打刻方法を選択可能です。PC操作に不慣れな従業員が多い職場や、屋外作業が中心の現場でも、負担を感じさせない運用を実現できるでしょう。
kintoneで勤怠管理システムを構築する際の設定ポイント

kintoneで勤怠管理システムを構築する際は、設計段階で押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、特に意識すべき2つのポイントを紹介します。
- 時間の自動計算は「秒単位」とマイナス防止に注意
- 休暇管理は数値化しておく
時間の自動計算は「秒単位」とマイナス防止に注意
kintoneの計算フィールドにおいて、時間は「秒」で扱われる点に注意が必要です。たとえば、「8時間を超えた分を残業時間とする」場合、式には「8」ではなく、秒換算した「28,800(8時間×60分×60秒)」を指定しなければなりません。
また、深夜残業などを自動計算する際、休憩時間の差し引きによって計算結果がマイナスになると、エラーや集計ミスを招く原因となります。そのため、IF関数を使って「0未満の場合は0を表示する」といった処理を組み込み、正確な集計が行える設計を心がけましょう。
休暇管理は数値化しておく
有給休暇や欠勤をドロップダウンなどの選択肢だけで管理すると、後から日数の集計に手間取る可能性があります。
この対策として、「全休=1」「半休=0.5」といった数値を裏側で計算するフィールドを用意しておくのが有用です。これにより、月次の有給消化日数や残日数を自動で合算でき、確認作業がスムーズになります。
後から集計方法で悩まないためにも、設計段階で集計のしやすさを見据え、数値化を意識することが肝心です。
kintoneで勤怠管理システムを構築する際の注意点

| kintoneでの勤怠管理に 向いているケース |
kintoneでの勤怠管理に 向いていないケース |
|---|---|
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kintoneでの勤怠管理は、あらゆるケースにおいて万能というわけではありません。自社の運用にフィットするかどうか、主に以下の3つの視点から慎重に検討しましょう。
- 勤務ルールが複雑な場合は設計に工夫が必要
- 機能とコストのバランスを踏まえて検討する
- ITリテラシーや作業環境によっては定着しにくい可能性がある
一つずつ、詳しく見ていきましょう。
勤務ルールが複雑な場合は設計に工夫が必要
kintoneの勤怠管理は、出退勤の記録や残業申請など基本的な運用であれば、専門的な知識がなくても導入しやすい点が特徴です。サンプルアプリを活用するだけで、残業時間の算出や勤務区分ごとの集計などにもある程度対応できるでしょう。
一方で、フレックスタイム制や変形労働時間制、曜日や時間帯によって計算ルールが細かく変わる勤務体系の場合は、設計時に工夫が必要になることがあります。
こうしたケースでは、JavaScriptによるカスタマイズや外部サービスとの連携を検討する選択肢も出てくるでしょう。その場合、あらかじめ自社の勤務ルールを整理し、「まずはどこまでをkintoneで対応するか」を段階的に精査することが重要です。
機能とコストのバランスを踏まえて検討する
kintoneはユーザー単位の料金体系のため、勤怠管理のみを目的として導入する場合、利用人数によってはコストが割高に感じるケースもあります。
一方で、すでにkintoneを導入している場合や、勤怠管理に加えて顧客管理や案件管理など複数の業務をまとめて扱う場合には、費用対効果を高められる点も特長です。
「勤怠管理だけで使うのか」「業務全体で活用するのか」を整理したうえで検討すると、導入後のギャップを抑えやすくなるでしょう。
ITリテラシーや作業環境によっては定着しにくい可能性がある
kintoneでの勤怠管理システムの構築には多くのメリットがありますが、現場の従業員に十分に浸透しなければ運用が形骸化しかねません。
特にPC操作に不慣れな従業員が多い現場や、屋外作業中にスマートフォンを都度取り出すのが難しい環境では、「アプリを開いて、ログインして、打刻する」というステップ自体がハードルとなることも考えられるでしょう。その結果、後からまとめて手入力されてしまい、正確な勤怠データが残りにくくなる懸念も想定されます。
導入前に現場のITリテラシーや作業動線を十分に考慮し、ICカードをかざすだけなど、誰でも迷わず打刻できる仕組みを検討することが大切です。
スマートな勤怠管理を実現するならV Callプラグイン for kintoneがおすすめ

kintoneで勤怠管理を行う中で、現場によっては「スマートフォンやアプリ操作に不慣れなメンバーが多く、打刻が定着しない」と感じるケースもあるでしょう。そのような場合は、打刻者からの受電をトリガーとしてkintoneへ出退勤の記録を登録するようなサービス連携のカスタマイズを行い、何らかの異常があった場合には、「V Callプラグイン for kintone」を通じて、kintoneから打刻者へ電話を使って連絡をすることができるようになり、現場の負担を抑えながら勤怠管理を行うことが可能になります。
ここでは、V Callプラグイン for kintoneの主な特徴を解説します。
電話をかけるだけで出退勤を記録できる
受電をトリガーとしてkintoneへ出退勤の記録を登録するようなサービス連携のカスタマイズを行えば、出勤・退勤時に指定の電話番号へ発信するだけで打刻が完了します。発信者番号とkintone上の従業員データを照合し、着信時刻をもとに勤怠情報を自動で記録する仕組みです。
アプリの立ち上げやログイン操作は不要なため、「つい忘れてしまう」といった打刻漏れの防止にも寄与するでしょう。
アプリ操作が難しい現場でも勤怠管理を定着させやすい
建設現場や物流現場など、作業中にスマートフォンを操作しづらい環境やITリテラシーにばらつきがある職場では、アプリ入力が負担になるケースも少なくありません。
受電をトリガーとしてkintoneへ出退勤の記録を登録するようなサービス連携のカスタマイズを行えば、電話をかけるだけで打刻できるため、フィーチャーフォン(ガラケー)を利用している従業員がいる場合でも問題なく対応可能です。現場の実情に寄り添ったシンプルな仕組みを取り入れることで、kintoneによる勤怠管理を無理なく定着させられるでしょう。
また、音声ガイダンスを活用すれば、体調確認などの簡易アンケートを打刻とあわせて行うこともできます。
管理者が、受電を元にkintoneへ登録された記録を確認し、気になった情報をがあれば、V Callプラグイン for kintoneを通じてkintoneから直接架電することができ、業務をスムーズに行うことができます。
V Callプラグイン for kintoneの詳細な機能や導入事例、料金体系については、以下の資料で詳しくご紹介しています。現場での打刻方法に悩んでいる方や、kintoneでの勤怠管理をもっとスムーズに運用したい方は、ぜひご覧ください。
kintoneを活用した勤怠管理システムに関するよくある質問
ここでは、kintoneを活用した勤怠管理システムに関する、よくある質問に回答していきます。
- スマートフォンからでも打刻や承認はできますか?
- フレックスタイム制や複雑な勤務体系にも対応できますか?
- kintoneを活用して勤怠管理システムを構築することで、どのような効果が期待できますか?
- PC操作が苦手な現場でも運用できますか?
導入後の運用イメージを具体化するための参考にしてください。
スマートフォンからでも打刻や承認はできますか?
kintoneはクラウドサービスのため、スマートフォンやタブレット、PCがあれば場所を問わず打刻や申請、承認が可能です。
打刻情報はリアルタイムで反映されるため、締め日まで勤務状況が見えないといったタイムラグも発生しません。また、上長が外出中でも承認を行えるため、申請滞留の防止や運用がスムーズになるでしょう。
フレックスタイム制や複雑な勤務体系にも対応できますか?
フレックスタイム制や変形労働時間制など、計算ルールが細かい場合は設計に工夫が必要になることがあります。
基本的な出退勤管理や残業申請であれば、サンプルアプリなどを活用して比較的スムーズに対応できるでしょう。一方で、より複雑な自動計算に対応する場合は、JavaScriptによるカスタマイズや外部サービスとの連携も有力な選択肢となります。
まずは自社の勤務ルールを整理したうえで「どこまでをkintoneで対応するか」を段階的に整理することが重要です。
kintoneを活用して勤怠管理システムを構築することで、どのような効果が期待できますか?
kintoneを勤怠管理に活用することで、打刻や申請情報をリアルタイムで一元管理でき、集計や承認業務の効率化が期待できます。また、スマートフォンからの打刻や承認にも対応できるため、外出先やテレワーク環境でも勤怠管理を行いやすくなるでしょう。
PC操作が苦手な現場でも運用できますか?
外部サービス連携やプラグインを活用することで、PC操作に不慣れな現場でもスムーズな運用が実現します。標準機能に加え、ICカードやチャットツール、電話発信など、多様な打刻方法を選択可能です。
たとえば、受電をトリガーとしてkintoneへ出退勤の記録を登録するようなサービス連携のカスタマイズを行えば、指定の番号に電話をかけるだけで出退勤のkintoneへの記録が完了します。アプリ操作やログインが不要なため、デジタル機器の操作に慣れていない従業員が多い職場でも、無理なく定着させられるでしょう。
まとめ
kintoneを活用すれば、タイムカードやExcelでは手間がかかりやすい勤怠管理も、自社のルールに合わせて柔軟に仕組み化できます。スマートフォンからの打刻や自動集計により、日々の運用負担を軽減しながら、正確な管理を行いやすくなる点が特長です。一方で、現場の環境や従業員のITリテラシーによっては、アプリ操作による打刻が負担となるケースもあります。
そのような場合は、電話による打刻など、現場に合った手段を取り入れることで、無理なく運用を定着させやすくなるでしょう。自社の働き方に合わせて、最適な仕組みを整えていくことが重要です。
※「kintone」、「キントーン」の名称およびロゴは、サイボウズ株式会社の登録商標または商標です。
※本記事に記載されている製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。
執筆・監修者
株式会社AISIC 代表取締役 CEO(kintoneエバンジェリスト)
- カテゴリ:
- kintone