ハイスピードなシステム構築・開発が実現できた
Q:Vonageを用いたシステム開発はどのようにして進められましたか?
システムの話をすると、フロントはブラウザで、Vonage Voice APIのJavaScript SDKで構築しています。バックエンドはAWSのEC2の上にDocker(ドッカー)を載せて、そのうえでノードを動かしているという形式です。DBもEC2の中にDockerを使いローカルで構築しています。
まずはPoC※から着手しました。この点でかなりKDDIウェブコミュニケーションズからフォローしてもらえました。最初にブラウザ上で動くことを確認。その後、社内ネットワークでは稼働しない場合の確認を行いながら進めました。
※PoC(Proof of Concept):コンセプト実証・概念実証。そのシステムのアイデアに実現性があるかどうかを確認する検証作業のこと。
少し困ったのは、SDKのバージョンが公開されているドキュメントよりも新しい場合です。これは先にKDDIウェブコミュニケーションズの担当者さんから案内してもらって、大きなトラブルにはならなかったので、その点でもサポートを受けられて良かった点でした。最新版のSDKはドキュメントに反映されていないため、Githubで仕様を確認する必要があるなど、自分たちだけでやっていたらかなりハードルの高い作業になっていたと思います。
また開発のポイントだったのが、音声対応です。タブレットの内臓マイク・スピーカーではハウリングなどが起きないだろうかという心配がありました。加えて当社はアバターが合成音声で話すタイプで、音声周りのチューニングは重要でした。
こちらも、VonageのAPIでボリューム調整のパラメータを見つけて対応することができました。タブレット端末は、コーポレートオフィスではiPad、セールスオフィスではWindows端末を使用しており、端末ごとにパラメータを調整しています。またWindows端末は27インチのタッチパネルを用意することで、コーポレートオフィスと同じ操作感を実現しています。
こうしたサポートもあり、Vonageを導入してから1.5か月という短期間でシステムを開発・実装することができました。
あらゆるご来訪者様に開かれた受付システムへ
Q:受付システムの導入効果を教えてください
新しい受付システムでは、従来のシステムで対応しきれなかった応対先も細かく設定できるようになりました。またSMSでなく電話で担当者に連絡するシステムを組むことができ、ご来訪者様の検索時間・待ち時間を短縮することにつながりました。これがもっとも大きな成果です。
部署ごとに来訪先を設定するだけでなく、必要に応じて「担当者名」を組み込む機能も加えることで、より効率的な呼び出しが可能になりました。配送された荷物などの納品も、部署でなく担当者ごとに回せるようになっています。
そして、懸念であった総務の取次対応。これまでは総務から担当部署に取り次ぐにあたり業務を中断しなくてはならないのが大きな悩みでしたが、担当者に直接つながるようにしたことで、ほとんどの取次作業がなくなったのです。
会社の入り口をアップデートすることによって、取引先や求職者など、当社を訪れる方々へのイメージアップにも貢献してくれたと実感しています。
取材:2024年6月17日
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