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テレワークに欠かせない「ブラウザ電話」とは?ブラウザフォンの機能やメリットを解説

公開日:2022.03.22

更新日:2024.07.31

KDDIウェブコミュニケーションズ

テレワークに欠かせない「ブラウザ電話」とは?ブラウザフォンの機能やメリットを解説

リモートワークが推進されている近年、社内のチームメンバーとのコミュニケーションもリモートで手軽に行いたいというニーズが高まってきています。

それに伴い、Webブラウザさえあれば簡単に電話機能やWeb会議を利用できる「ブラウザ電話(ブラウザフォン)」が注目され始めているのをご存じですか?

本記事ではブラウザフォンの機能とメリットについて紹介し、ソフトフォンとの違いや利用にあたっての注意点を解説します。

ブラウザ電話(ブラウザフォン)とは

ブラウザ電話(ブラウザフォン)とは

ブラウザ電話(ブラウザフォン)は、Google Chrome、SafariなどのWebブラウザから利用できる電話サービスのことを言います。

パソコンとインターネット環境・ブラウザ環境さえあれば、URLを共有するだけですぐに使い始められます。専用のソフトをインストールする必要もありません。

また従来の固定電話と異なり、オフィス内に電話機を設置する必要がないため、場所を選ばずすぐに電話窓口を立ち上げられることも大きな特徴です。

ブラウザフォンの主な機能

ブラウザフォンの主な機能

ここからは、ブラウザフォンサービスで提供されている主要な機能について紹介します。ブラウザフォンの機能や仕様はサービスを提供している事業者によって異なるため、検討を導入する際には事前にしっかり確認しておきましょう。

機能①:内線の発着信

インターネットが接続されている状況であれば、内線の発着信をフレキシブルに行えます。手軽な電話連絡によりコミュニケーションを円滑に進められるのが魅力です。

インターネットに接続されたブラウザがあればどこでも使えるため、自宅からでも、社内で利用されている内線電話の発着信を行えます。またブラウザフォンから事務所の固定電話に発信したり、スマートフォンやブラウザフォン同士で内線通話で会話したりすることも可能です。

機能②:外線の発着信

企業の代表番号や部署番号、直通の番号などを使用して外線の発着信を行えます。電話番号を揃えることで受け皿が整い、重要なビジネス電話を逃さずに済みます。

社内に構築されている電話回線のように、複数の社員が同じ電話番号を利用するため、回線数を増やす必要がありません。また複数の外線や内線を一箇所で受けられるため、電話機を設置するコストも節約できるでしょう。

機能③:保留転送、取り次ぎ

かかってきた電話を一旦保留して別の担当者に取り次ぐ機能です。たとえば「社外にいるときに受けた電話を社内のメンバーに回す」「社内で受けた電話を社外にいる担当者に回す」といったことができます。

重要なお客様からかかってきた電話に対し、折り返しをすることなく迅速に対応できる点がメリットです。複数の担当者で分担して作業できるため電話対応の効率が改善され、ビジネスの機会損失を防げるでしょう。

機能④:通話の録音

ブラウザフォンでは通話を録音データとして残せます。保存されているデータから通話の開始時間や終了時間、通話相手の電話番号など、通話に関する情報を後から閲覧できます。また録音データからテキストを書き起こし、一覧で検索することも可能です。

録音データを活用することでありがちな顧客との「言った・言わない」問題を解消できます。また会話内容を振り返ることで、電話対応の品質向上にもつなげられます。

機能⑤:電話履歴の表示

ブラウザフォンで発信や着信を行った電話の履歴を表示できます。会社の代表番号など複数の担当者が受けられる回線では、実際に対応した担当者の表示も可能です。

着信した時間を後から確認したり、残っていた電話番号に直接発信したりできます。電話履歴からの直接発信は番号入力の時間を短縮するだけでなく、押し間違いを防ぐ効果もあるため、コールセンターなどでは特に重宝するでしょう。

電話履歴データを活用することで、過去のやり取りをふまえたコミュニケーションを実現できます。顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

機能⑥:CTI連携機能

CTIは「Computer Telephony Integration」の略語で、パソコンをはじめとしたコンピューターと電話システムを統合して動かす技術のことを指します。

CTI連携によって、ブラウザフォンだけでは実現できなかった機能を利用できるようになります。たとえばCRMとの連携することで、顧客情報データベースから発信したい相手の情報を検索したり、発信してきた電話番号から顧客情報を自動検索してポップアップさせたりできるようになるのです。

これによって通話相手の詳細情報を電話を取る前に把握でき、より相手のニーズに沿った会話ができるようになります。

※どのようなシステムと連携できるかは、ブラウザフォンのサービスごとに異なります。選定段階で使える機能を調べておきましょう。

録音・音声認識・IVRで通話をカスタマイズ可能。
電話対応もDX「Vonage Voice API」

ソフトフォンとの違い

ソフトフォンとの違い

ソフトフォンは、パソコンやタブレット端末に専用のソフトウェアを導入して通話を行う電話です。ブラウザフォンと同じく電話機を必要としないため、機器の購入費用を削減できます。

ソフトフォンとブラウザフォンの最大の違いは、専用のソフトウェアを必要とするかどうかです。ブラウザフォンはパソコンのブラウザがあればよいのに対し、ソフトフォンはOSごとに対応したソフトウェアが必要になります。

またソフトフォンはソフトウェアが必須であるため、パソコンが故障した際などには、代替となる新しい端末にもソフトウェアをインストールしなくてはなりません。一方のブラウザフォンは、パソコンにWebブラウザがついていればすぐにでも使い始められます。

ソフトフォンの詳細はこちらの「ソフトフォンとは?電話機いらずの新しいコミュニケーションを徹底解剖」の記事をご覧ください。

ブラウザ電話(ブラウザフォン)のメリット

ブラウザ電話(ブラウザフォン)のメリット

ブラウザフォンには、従来の電話システムと比べて多くのメリットがあります。ここからは、ブラウザフォンを導入することで得られるメリットについて紹介します。

メリット①:導入コストがかからない

ブラウザフォンの最大のメリットは、導入コストがかからないことです。

ブラウザフォンは、インターネットに接続されたパソコンと、パソコンに搭載されているブラウザさえあればすぐに使い始められます。電話機を購入する必要もなければ、専用のソフトウェアや電話回線を準備する手間もありません。導入に際して新しく用意するものがないため、導入にかかるコストを削減できるのです。

また内線でつながったブラウザフォン同士は、通話相手が社内にいるかどうかにかかわらず通話料がかかりません。このため従来の電話システムと比べ、導入後の通信費も安く抑えられます。

メリット②:働く場所を選ばない

ブラウザフォンは、インターネットにつながるパソコンを用意できれば、どこにいても電話を利用することができます。会社宛てにかかってきた電話を社外で受けたり、社外から会社の電話番号を使って発信したりすることも可能です。

電話機を導入する必要もないため、場所を選ばずに業務を遂行できるのです。

近年は多くの企業でテレワークが導入されているものの、電話対応ができる担当者が必要なために出社している……という社員の方も一定数いることでしょう。そのような場合にも、ブラウザフォンがあれば自宅で会社の電話が受けられるため、無理に出社する必要がなくなります。

メリット③:席数の増減が簡単

ブラウザフォンはインターネットに接続されたパソコンがあれば利用できるため、電話機の設置や電話回線の配線作業が不要です。そのため席数を増やしたり減らしたりする場合にも、新しいパソコンを用意してインターネットに接続するだけで完了します。

またブラウザフォンは在宅勤務でも利用できるため、社内にスペースがなくても増設できる点もメリットといえるでしょう。

ブラウザ電話(ブラウザフォン)の注意点

ブラウザ電話(ブラウザフォン)の注意点

ブラウザフォンにはさまざまなメリットがありますが、一方で、導入に際して注意しておかなくてはならない点もあります。

デメリット①:インターネット環境がないと使えない

ブラウザフォンはインターネット環境がないと使えないサービスです。インターネットがなければ何もできなくなってしまいます。

このため災害や停電などのトラブルが発生した場合には、インターネットにつながらず、電話機能がストップしてしまう可能性もあることを意識しておかなくてはなりません。

デメリット②:固定電話などに比べて音質が劣る

ブラウザフォンはインターネットを利用したサービスです。そのため通信品質が悪かったりインターネット回線が混雑していたりと、インターネットの状態が安定しない状況では音声が乱れる・途切れるなどの影響が出る可能性があります。

固定電話は専用の回線を用意して利用するため、高い通話品質が維持されています。そのためインターネットを利用していたり、他の機能と回線を共有したりしているブラウザフォンは、固定電話などに比べて音質が劣るケースがあります。

コミュニケーションAPIサービス
「Vonage」のご紹介

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Vonageは、電話やSMS・ビデオ・チャット・SNSなど、さまざまなコミュニケーションチャネルをWeb・モバイルアプリケーションやビジネスへ組み込めるクラウドAPIサービスです。自動電話発信や電話転送、対話型IVR、自動SMS通知や二要素認証など、多岐にわたるサービスを実現できます。

コミュニケーションに関わる機能を自社で1から開発するのには多大な工数がかかります。通信の暗号化といったセキュリティ対策など考慮せねばならない点も多く、そのために実装を諦めてしまう企業も少なくありません。

しかしVonage APIと連携すれば、それらの工数をすべてVonage側が担ってくれます。お客様側でのインフラ開発はもちろん、ネットワークの構築・維持コストも必要ありません。ただ数行のコードを書き加えるだけで、自社サービスをマルチチャネル化できるのです。

Vonage Voice API

Vonage Voice APIは録音や音声認識、IVRなど、通話に必要なあらゆる機能をプログラムでコントロールできるAPIです。

世界中の電話番号を用いたPSTN(公衆回線網)やSIP、Web RTCでの発着信機能を利用できます。また日本国内を含む約80カ国の電話番号を提供しており、ダッシュボード上から簡単に番号取得のお申し込みが可能です。

料金は通話秒数に応じた従量課金制です。また通話の録音・保存や日本語での音声認識、テキストの読み上げなどは無料で利用できます。そのため、不要なコストをかけずに音声通話のコミュニケーションチャネルを自社サービスに連携させられます。

まとめ

この記事では、リモートワークが広まる中で注目を集めている「ブラウザフォン」についてご紹介しました。

ブラウザフォンは、インターネットに接続されたブラウザさえあれば、内線電話や外線電話をはじめ転送、録音、果ては顧客管理まで可能になる優れた通話ツールです。コストパフォーマンスの良さや設置場所を選ばない点も大きな魅力でしょう。

リモートワークが推奨されるようになった近年では、場所にとらわれない働き方が求められています。今までにない働き方に対応するためにも、ブラウザフォンが自社の業務にマッチするか検討してみてくださいね。

執筆者情報

KDDIウェブコミュニケーションズ
KDDIウェブコミュニケーションズ
2013年に、日本ではまだ黎明期であったCPaaSの取り扱いを開始。CPaaSやCCaaSなどコミュニケーションのDXの専門家として、「コミュニケーションの多様性」を活用するための記事をお届けします。


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