公開日:2022.07.07
更新日:2024.07.24
まとめ
公開日:2022.07.07
更新日:2024.07.24
KDDIウェブコミュニケーションズ
アプリケーションの開発現場で、「SDK」や「API」といった用語を耳にしたことはありませんか?
これらはどちらも他社サービスの機能を利用したり、その機能を自社サービスと連携させたりする場面で使用するツールです。同じような用途で利用されるため混同されがちですが、それぞれ異なる特徴を持っています。
この記事では開発の効率化に役立つ「SDK」や「API」について、それぞれの意味や違いを詳しく解説します。
SDKは「Software Development Kit」の略称で、ソフトウェア開発に必要なプログラムやドキュメントをひとつのパッケージにまとめたものです。
利用におけるライブラリや導入するための実行環境、デバッガー、各種資料や文書など、アプリケーションを開発するために必要なツールが含まれています。
これまでWebサービスやアプリケーションを開発する際には、開発者が自分でソースコードを書いたりプログラムを構築したりする必要があり、作業に膨大な時間がかかっていました。
しかしSDKには開発に使うツールがまとめて内包されているため、これを利用することで、開発工数を削減しながら欲しい機能を簡単に実装できるのです。
APIは「Application Programming Interface」の略称で、特定のサービスやアプリケーションの一部機能を利用するためのインタフェース(接点)です。
SDKがパッケージ化されたキットであるのに対して、APIは他社サービスの機能を利用する窓口として使われます。
まずAPIサービスを利用する人が、事前に定められた形式に従って使いたい機能や情報をまとめて「リクエスト(要求)」します。それに対してサービス側はリクエストを受け取ると、送信された条件を処理して「レスポンス(応答)」を返す……という流れです。
APIについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご参照ください。
SDKとAPIはどちらもアプリケーション同士を連携させるために利用されるため、同じものだと考えてしまっている人も多いようです。しかしSDKとAPIは、根本的に異なるものです。
APIは前述したように、自社アプリケーション機能の一部を付与するためのインターフェイス(接点)です。あくまでインターフェイスを提供しているだけにとどまるため、正常なレスポンスを受けるためには、リクエストの内容を利用者側できちんと作成する必要があります。
これに対しSDKには、APIへの問い合わせデータを作成したり、データフォーマットをチェックしたりする補助ツールも含まれています。SDKに従って開発することで、難しい機能でもスムーズに実装できるのです。
プログラム開発の場面で、もうひとつ、SDKやAPIに近い用語として頻出するのが「ライブラリ」です。これらはそれぞれ密接に関わっているものですが、それぞれ違った特徴を持っています。
続いてはSDKとAPI、ライブラリの特徴を利用者の観点からそれぞれ見てみましょう。
SDKは、APIなどのツールを使うために必要なパーツや補助ツール、デバッグツールなどをまとめた開発キットです。特定の目的を持ったプログラムの開発に役立つツールがパッケージにまとめられています。
APIは、提供元からアプリケーション機能の一部として与えられるものです。利用者がAPIに対して決められた形式で問い合わせすると、提供元の一部機能を使った結果が返されるという取り決めがあります。
SDKのように開発のためのツールは用意されていないため、APIへの問い合わせ内容は利用者自身で適切に作成する必要があります。
ライブラリは、特定のアプリケーション等には依存しない、汎用性があるプログラミングのパーツをまとめたツールセットのような位置付けです。
例えば「ファイルにログを残す」「フォルダから特定のファイルを探し出す」といったプログラミング中によく使われる処理をまとめておくことで、利用者は面倒な作業を簡単に処理できます。
ライブラリは特定の機能を提供していることが多いため、さまざまなプログラムに組み込まれて利用されます。
SDKもAPIも、どちらも変わらず開発に役立てられます。明確な使い分けの基準があるわけではありません。それぞれの特徴や違いをよく比較し、ご自身の開発環境・開発状況にあったツールを選ぶとよいでしょう。
たとえばSDKは一般的に各プログラミング言語で提供されていますが、利用したい言語のSDKが提供されていない場合は、APIを利用して開発することもあります。APIはWEBの通信規約にのっとって提供されているため、プログラミング言語に依存せずに利用できるからです。
基本的に開発に組み込む際はSDKを利用しますが、希望する言語のものが用意されていない場合にはAPIを利用するといいでしょう。
また、すでにシステムができている場合はSDKを組み込めないため、外部の機能を利用したい場合はAPIで連携させる必要があります。その他にも外部に公開しない、内部でのシステム連携の際は、開発コストの観点からAPIでの連携がおこなわれます。
Vonageは、電話やSMS・ビデオ・チャット・SNSなど、さまざまなコミュニケーションチャネルをWeb・モバイルアプリケーションやビジネスへ組み込めるクラウドAPIサービスです。自動電話発信や電話転送、対話型IVR、自動SMS通知や二要素認証など、多岐にわたるサービスを実現できます。
コミュニケーションに関わる機能を自社で1から開発するのには多大な工数がかかります。通信の暗号化といったセキュリティ対策など考慮せねばならない点も多く、そのために実装を諦めてしまう企業も少なくありません。
しかしVonage APIと連携すれば、それらの工数をすべてVonage側が担ってくれます。お客様側でのインフラ開発はもちろん、ネットワークの構築・維持コストも必要ありません。ただ数行のコードを書き加えるだけで、自社サービスをマルチチャネル化できるのです。
まとめ
この記事では、アプリケーション同士の連携に利用されるSDKやAPIについて、それぞれの特徴と違いについて詳しく紹介しました。
SDKとAPIは、どちらも同じようなシーンで用いられるため、混同されることも少なくありません。しかし、詳しく見てみると、それぞれ異なるツールであるとわかるでしょう。
ツールごとの特徴を理解し、どちらがこれから開発するアプリケーションに向いているか、検討するときの参考にしてみてください。