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固定電話の着信を転送するやり方とは?具体的な方法や選ぶ際のポイントを解説

公開日:2025.07.10

更新日:2025.07.10

KDDIウェブコミュニケーションズ

固定電話の着信を転送するやり方とは?具体的な方法や選ぶ際のポイントを解説

リモートワークを導入する際、オフィスの固定電話への着信にどう対応するかは、多くの企業が抱える課題です。電話転送機能を活用すれば、外出先や自宅からでも顧客対応を続けられ、ビジネスチャンスを逃しません。 

本記事では、固定電話の着信転送方法から選択のポイントまで、実用的な情報を詳しく解説します。固定電話への着信を転送する方法を検討する際の参考にしてください。

固定電話への着信を転送する方法

固定電話への着信を転送する方法

固定電話への着信を効率的に処理するにあたって、いくつかの転送方法があります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自社の業務環境に適した方法を選択することが重要です。

電話の外線転送機能を利用する

電話の外線転送機能とは、固定電話にかかってきた着信に対して一度担当者が対応し、必要に応じて電話機の転送機能を使って別の担当者や外出先の社員へ引き継ぐ仕組みです。

 たとえば、受付が顧客からの問い合わせを受けた後、外出している営業担当の携帯へ転送する場面などで活用されています。一度着信を取ったあと、要件を確認したうえで適切な担当者へ引き継ぐことができる点がメリットです。

 注意点としては、転送操作が必要なため必ず現場で対応しなければならない点が挙げられます。オフィスに誰かが常駐していることが前提の仕組みであり、リモートワークが普及した現代の働き方にはあまりマッチしていません。

 また、着信を受けた固定電話から転送先の番号へ電話をかける際には通話料金が発生します。そのため、長時間の転送には注意が必要です。

利用しているキャリアの電話転送サービスを利用する

自社で利用している通信キャリアが提供する電話転送サービスを使えば、固定電話への着信を自動で別の電話番号に転送できます。

 たとえば、オフィスにかかってきた電話を外出先のスマートフォンや自宅の固定電話へ転送することが可能です。これにより電話応対のために出社する必要がなくなるため、テレワークや外回りが多い業務に適しています

 ただし、転送先として設定できる電話番号のは基本的に1つのみとなっている点に注意が必要です。リモートワークのように複数人が分散して働く環境では対応に偏りが生じやすくなります。着信件数が多い場合、対応が一手に集中し、担当者の負担増加や応答の遅れといった問題が発生するリスクがあるでしょう。

 また電話の外線転送機能と同様に、着信元から転送先番号への転送には通話料が発生するほか、サービス自体の利用料も必要となります。導入前にキャリアの仕様を確認し、想定される着信件数や通話時間と、コストとのバランスを考慮することが大切です。

クラウドPBX電話を利用する

クラウドPBXは、従来オフィスに設置されていたPBXの機能をクラウド上で提供するサービスです。PBXとは、社内外の通話をつなぐ電話交換機のことを指します。このPBXをクラウド化することで、インターネット環境があれば場所を問わず同じ代表番号での発着信が可能になります。

クラウドPBXは既存の固定電話にかかってきた着信を転送するサービスではありませんが、対応する新たな番号を取得して代表番号とすることで、その番号への着信をクラウド上で管理できるようになります。実質的には固定電話の代替手段として運用できるでしょう。

 クラウドPBXの特徴は、リモートワーク環境との相性の良さです。クラウドPBXでは、スマートフォンやパソコンなどの端末を業務用電話として使えるため、従業員がそれぞれの働く場所で電話対応を分担できます。従来の転送サービスとは異なり、特定の端末だけに転送が集中しない点が大きなメリットです。

 またクラウドPBXでは、着信を受けるだけでなく、外出先からでも発信者番号を保持したままの架電が可能です。さらにサービスによってはIVR(自動音声応答)での振り分け機能も搭載されています。これらの機能により、固定電話転送に関する課題を解決しながら、より高品質な電話対応が実現できるでしょう。

 クラウドPBXについて詳しく知りたい方は、「クラウドPBXとは?導入時のメリット・デメリット、オンプレミスPBXとの違いを解説」の記事をご参照ください。

録音・音声認識・IVRで通話をカスタマイズ可能。
電話対応もDX「Vonage Voice API」

固定電話の転送方法を選ぶ際のポイント

固定電話の転送方法を選ぶ際のポイント

固定電話の転送方法を決定する際は、自社の業務環境や運用要件を踏まえて充分に検討しましょう。適切な転送方法の選択により、業務効率の向上とコスト最適化の両立が実現できます。

自社の規模や転送の頻度をあらかじめ確認しておく

電話転送の方法を選ぶ際は、自社の規模や着信頻度、費用対効果といった複数の観点から、総合的に検討することが大切です。

 たとえば着信件数が多い中〜大規模の企業では、転送ごとに通話料が発生する従量課金制だとコストがかさみやすくなります。また担当者に電話が集中し、転送対応に追われることで業務効率が下がり、生産性低下につながるかもしれません。そのため、柔軟な転送条件の設定が可能なクラウドPBXの方が長期的には効率的な場合もあります。

 一方、転送の頻度が限定的な小規模事業者であれば、キャリアの電話転送サービスや応答後の外線転送など、シンプルな運用で充分に対応できるケースもあるでしょう。

 転送方法によって料金体系や初期コスト、運用負荷が異なるため、想定される利用シーンに応じて、無理のないコスト設計を意識することが重要です。

転送設定の柔軟性があるかをチェックする

電話転送の手段を選ぶ際には、単に転送できるかどうかだけでなく、どのような条件で転送するか・どこへ転送するかを柔軟に設定できるかという点もチェックしてください。たとえば、通話中のみ転送、一定時間応答がなければ転送、といった条件付き転送が可能だと、業務の妨げにならずに運用できます。

 また、時間帯によって転送先を切り替えたり、複数の端末に同時に着信させたりする機能があれば、業務時間外や多忙な時間帯でも対応漏れを防げるでしょう。特にクラウド型の電話システムは拡張性が高く、ニーズに応じた運用がしやすいのが特徴です。これにより、業務効率の向上と多様な働き方の実現が期待できます。 

コミュニケーションAPIサービス
「Vonage」のご紹介

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Vonageは、電話やSMS・ビデオ・チャット・SNSなど、さまざまなコミュニケーションチャネルをWeb・モバイルアプリケーションやビジネスへ組み込めるクラウドAPIサービスです。自動電話発信や電話転送、対話型IVR、自動SMS通知や二要素認証など、多岐にわたるサービスを実現できます。

コミュニケーションに関わる機能を自社で1から開発するのには多大な工数がかかります。通信の暗号化といったセキュリティ対策など考慮せねばならない点も多く、そのために実装を諦めてしまう企業も少なくありません。

しかしVonage APIと連携すれば、それらの工数をすべてVonage側が担ってくれます。お客様側でのインフラ開発はもちろん、ネットワークの構築・維持コストも必要ありません。ただ数行のコードを書き加えるだけで、自社サービスをマルチチャネル化できるのです。

Vonage Voice API

Vonage Voice APIは録音や音声認識、IVRなど、通話に必要なあらゆる機能をプログラムでコントロールできるAPIです。

世界中の電話番号を用いたPSTN(公衆回線網)やSIP、Web RTCでの発着信機能を利用できます。これにより従来の固定電話だけでなく、スマートフォンやPCでも発着信を行えるようになるため、物理的な機器や回線を用意するコストがかかりません。

また外出先や自宅からでも電話業務を行えるため、BCP対策としても役立てられるでしょう。

 

まとめ

固定電話の着信転送は、リモートワーク時代における重要な業務インフラです。従来の転送機能やキャリアサービスでは対応に限界がありますが、クラウドPBXなら柔軟な運用が可能になるでしょう。

またクラウドAPIサービス「Vonage」を利用して、固定電話の転送機能をプログラムから制御することも可能です。企業の電話の外線・内線、転送などの仕組みに必要なPBXをクラウド化でき、インターネット回線を用いて外線発着信や内線通話、転送を行えます。

固定電話の着信転送を簡単に実現したい方は、ぜひVonageの導入をご検討ください。

執筆者情報

KDDIウェブコミュニケーションズ
KDDIウェブコミュニケーションズ
2013年に、日本ではまだ黎明期であったCPaaSの取り扱いを開始。CPaaSやCCaaSなどコミュニケーションのDXの専門家として、「コミュニケーションの多様性」を活用するための記事をお届けします。


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