まとめ
スマートフォンが普及し、コミュニケーションのあり方も多様化している昨今。
顧客との接点として設けられている企業の問い合わせ窓口も、時代の流れに合わせて、柔軟に変わっていくことが求められています。
そうした潮流の中で、 AIなどのテクノロジーを備えた CPaaSやCCaaS、UCaaS といったクラウドサービスは、今後ますます企業にとって欠かせないものとなっていくでしょう。
本記事ではそのうちの「CCaaS」と「UCaaS」について、基本的な説明や特徴をご紹介したうえで、それぞれの違いについてご紹介していきます。
CCaaSとは「Contact Center as a Service」の略で、クラウドベースで利用できるコンタクトセンターサービスのことを指します。
従来のコールセンターはオンプレミス型と呼ばれる、サーバーやソフトウェアを自社で購入してオフィス内に設置し、電話回線の引き込みを行い、内部で保守・運用を行う形式のものがほとんどでした。しかし感染症の拡大や自然災害の頻発により、テレワークや顧客のデジタル利用が普及したことに伴い、新しいコミュニケーションの形を備えたカスタマーサービスが求められるようになりました。
そこで注目を集めたのがCCaaSです。
CCaaSはクラウド型のサービスのため、自社でサーバーを持つ必要がありません。パソコンとインターネットさえあれば、簡単かつスピーディーにコンタクトセンターを立ち上げられます。専用機器の設置による場所の制限もないため、オペレーターが在宅勤務しながら業務を行えるなど、働き方の多様化にも対応できます。
CCaaSにはどのような特徴があるのか、導入のメリットも含めていくつかご紹介します。
CCaaSはクラウドを利用したサービスのため、従来のオンプレミス型コールセンターのようにサーバーや高額な専用機器などを購入する必要がありません。IVRやキューイング、転送などの設定を変更する際にも、従来であれば外部ベンダーに依頼する必要がありましたが、CCaaSなら自社内で対応を完結できます。導入・運用コストを抑えつつ、迅速かつ柔軟に、コンタクトセンターを最適化できるのです。
またCCaaSは席数やライセンス数に応じた料金設定になっているものが多いため、コンタクトセンターをスモールスタートさせたい場合など、必要な分だけの費用で済むというメリットもあります。
さらにCCaaSはインターネット環境とPCさえあればどこからでも接続できるため、オペレーターの働く場所を選びません。在宅コンタクトセンターを構築すれば、緊急時にも柔軟な働き方で対応できるのはもちろん、オフィス代やオペレーターの交通費なども節約できるでしょう。
コミュニケーションの手段が多岐にわたる昨今。より多くの顧客がデジタルチャネルに移行し、求められる問い合わせ窓口の形式も、従来の電話やメールのほかに SMSやチャット、SNSなどが選択肢に上がるようになってきました。
顧客のニーズに柔軟に対応することは、顧客満足度を高めるとともに、顧客とのより親密な関係作りにも大いに役立ちます。
CCaaSはさまざまなデジタルチャネルに対応できるものが多いため、追加するチャネルごとに専門的な知識を学んだり個別のベンダーを契約したりする必要もなく、簡単かつスピーディーにコンタクトセンターをマルチチャネル化できるでしょう。
顧客が複数のチャネルで起こしたエンゲージメント情報をすべて記録し、そのうえで既存のCRMやSFAとも連携して一元管理できることは、CCaaSの強みと言えます。顧客情報をひとつの画面に表示できるため、オペレーターは顧客と通話しながらリアルタイムで応対履歴を参照できます。
コンタクトセンターでありがちなのが、顧客の応対履歴が共有されていないために、担当オペレーターが変わるたびに相談内容をまた1から聞き直してしまうというケースです。引き継いだオペレーターにとっては初めて知る内容でも、顧客側は待たされたうえに同じ説明を何度もさせられて負担を感じてしまいます。こうしたストレスの積み重ねが、企業そのものへの信頼感も損ねてしまうのです。
顧客情報を一元管理できれば、顧客が購入した商品の履歴や該当の商品の製品情報、前回の問い合わせで話した内容まですべて網羅できます。どのオペレーターが担当になっても適切かつスムーズな応対が実現するため、オペレーター業務の質が上がり、顧客満足度を高めることにもつながるでしょう。
CCaaSには多彩なAI機能が搭載されています。
代表的なものとしては、対応終了後にAIがその問い合わせ内容を判断して要約する機能が挙げられますが、そのほかにも、自動レポート機能や分析機能なども備わっています。
たとえばシステム稼働時間や不在着信件数、着信拒否の件数などを記録して、そのデータをもとにコンタクトセンターの運用方法を見直すことができます。あふれ呼が多い時間帯、つまり問い合わせが増えているのがいつなのかを調べてオペレーターを確保したり、問い合わせ内容に応じてIVRを利用した無人対応を実装したりと、レポート機能を活用すればコンタクトセンターそのもののパフォーマンスを向上できるでしょう。
また音声認識や感情分析といったAI機能を利用すれば、顧客とのコミュニケーションをよりブラッシュアップさせられます。質の高い応対が実現すれば、おのずと企業の好感度も上がっていくでしょう。
UCaaSとは「Unified Communications as a Service」の略で、ビジネス上で必要となるコミュニケーション手段(音声やメール、ビデオ会議、チャットなど)を統合して、クラウドを通じて提供するサービスのことを指します。
UCaaSを導入すれば、従業員が各々離れた場所にいても、オフィスにいるときのようにコミュニケーションを取りながら業務を円滑に進めることが可能です。
2020年に感染症のパンデミックが発生してテレワーク需要が拡大したことで、社内コミュニケーションを一元化できるUCaaSも注目を集めるようになりました。近年はそれに加えて国を挙げてのDX推進や働き方改革が本格化しているため、UCaaS市場はこれからますます成長していくことが期待できます。
UCaaSはビジネスシーンにおいて必要なコミュニケーション手段をワンストップサービスとして提供するものです。具体的には以下のような通信機能が備わっています。
など
昨今では部署やチーム、利用シーンごとにさまざまなコミュニケーションツールを使い分けているという企業も珍しくありません。しかし複数のツールをバラバラに導入することでアカウントの管理方法が煩雑化して、従業員に負担がかかってしまう場合もあります。
UCaaSを導入すればツールが単一のプラットフォームに集約されるため、いちいちアプリケーションを切り替える必要もなくなります。また UCaaSはクラウドサービスのため、自宅からでも外出先からでも、各々のデバイスから利用できるという特長があります。働く場所を選ばずスムーズにコミュニケーションが取れるため、テレワーク促進や業務効率化にもつながります。
CCaaSは「顧客接点の最適化を行うためのツール」で、UCaaSは「社内コミュニケーションの円滑化を図るツール」です。
たとえばCCaaSはコンタクトセンターでの利用を目的としたサービスのため、自動応答やルーティング機能といった、外部とのコミュニケーションやカスタマーサポートに関わるツールに重点を置いて設計されています。
一方でUCaaSは社内でのコミュニケーションに利用されるケースが多いことから、画面共有やホワイトボード機能を含むビデオ会議や、プロジェクト管理に関わるツールに重点が置かれています。
いずれもコミュニケーションに関わるクラウドサービスであるため、提供する機能や導入のメリットについて共通する部分もあります。また CCaaSと UCaaSを連携・統合させて、どちらの特長も活かすというやり方もあります。
ただしサービス内容とそのねらいは各々で異なりますし、それに伴って各機能の充実度も変わってきます。導入を検討する際には、自社に必要な機能が何なのかを改めて考えておきましょう。
「ujet.cx」は、スマートフォンの普及によって大きく変わったコミュニケーション手段に適応する、スマートフォンの機能をフル活用できるコンタクトセンターソリューション(CCaaS)です。モバイル端末の機能を最大限に活用し、シームレスで優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供します。
音声通話、メール、チャット、SMS、SNS(WhatsApp)などを利用したマルチチャネルに対応しており、消費者のニーズに合わせた自然なコミュニケーションを行えます。また自社で展開しているアプリにモバイルSDKを組み込むことで、スマートフォン側の動画/静止画を共有できるほか、スマートフォンが持つ生体認証機能や位置情報/OS情報なども取得・活用できます。これにより効率的な顧客応対が実現可能です。
そのほか、Google が提供するコンタクトセンターに特化したAI機能(CCAI)を、完全なクラウド環境で1席から利用できる点も魅力として挙げられます。
まとめ
コンタクトセンターやコミュニケーションツールをオンライン上で利用できるようになることで、顧客の細かなニーズに対応可能なほか、従業員に場所を選ばない柔軟な働き方を選択させることもできます。 CCaaSやUCaaSは企業にとって、さまざまなメリットをもたらしてくれるでしょう。
国を挙げて企業のデジタル化・DX推進が行われている日本において、クラウドサービスは今後ますます存在感を強めていきます。導入を検討される際は、自社に必要なものが何なのか、導入してどのような課題を解決したいのかを考慮してみてくださいね。