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あふれ呼とは?発生する原因や問題点、対策方法を解説

公開日:2024.11.14

更新日:2024.12.03

KDDIウェブコミュニケーションズ

あふれ呼とは?発生する原因や問題点、対策方法を解説

主に問い合わせ窓口において、入電数が電話回線数を上回って電話がつながらなくなる状態を「あふれ呼」といいます。顧客満足度の低下や企業イメージの悪化につながることから、あふれ呼はコールセンターやコンタクトセンターの運営において解決しなければならない重要な課題となっています。

今回の記事ではあふれ呼が発生する原因や問題点、対策方法について詳しく解説します。

あふれ呼とは

あふれ呼とは

あふれ呼とは、電話の回線数よりも入電数が上回ることで、オペレーターに電話がつながらない状態を指します。「待ち呼」と呼ぶこともあります。

あふれ呼の状態にあるときに顧客がコールセンターやコンタクトセンターに電話をかけると、以下のような現象が発生します。

  • コールがずっと続く
  • 「ただいま電話が大変混みあっております。しばらくお待ちください」などの音声ガイダンスが流れ続ける

電話がつながらない・つながりにくい状態が続くと顧客はストレスを感じてしまいます。結果、顧客満足度や企業イメージ、ブランドイメージなどの悪化にもつながりかねません。顧客満足度や企業イメージの向上を図るなら、あふれ呼を起こさないための対策が必要です。

また、あふれ呼の関連用語として「放棄呼」があります。放棄呼とは、コールセンターに電話をかけた顧客が、オペレーターにつながる前に通話を切ってしまうことです。あふれ呼が発生して顧客が待ちきれなくなった結果、放棄呼へつながることもあります。機会損失を防ぐという意味でも、放棄呼を生じさせないためのあふれ呼対策が必須と言えるでしょう。

あふれ呼が生じる原因

あふれ呼が生じる原因

あふれ呼が生じる主な原因について、それぞれ詳しく解説します。

一時的に電話が集中してしまう

コールセンターやコンタクトセンターの規模、あるいはオペレーターの数に問題がなければ、あふれ呼は起きにくいものです。しかし以下のような状況においては、一時的に電話が集中し、あふれ呼が発生する可能性が高くなります

  • 新商品の予約受付やセールが開始された際
  • 期間限定のイベントを開催する際
  • 休業日明けで問い合わせ窓口が開放された際

コールセンターやコンタクトセンターの規模が小さい

入電件数に対してコールセンターやコンタクトセンターの規模が小さい場合、すべての電話に対応できず、あふれ呼が発生しやすくなります。

たとえばコールセンターに5人のオペレーターがいる場合、通常は5人で対応できるように電話回線が設定されていることがほとんどです。こうした状況のコールセンターに10件の電話が同じタイミングでかかってきた場合、回線の容量を超え、超過した5件はあふれ呼となってしまいます。

このように、コールセンターやコンタクトセンターの規模と入電件数のバランスが取れていないと、常にあふれ呼が発生しやすい状況になります

問い合わせ対応の効率が悪い

オペレーターによる問い合わせの対応効率の悪さも、あふれ呼が発生する原因の1つです。

問い合わせ対応の効率性は、平均処理時間(AHT)を見るとわかります。仮に平均処理時間が30分だとすると、オペレーターが電話を受けて応対処理を行い、次の電話に出るまで30分かかることになります。オペレーターが一斉に電話を受けて30分後まで次の電話に出られないとなると、その間にかかってきた新規の電話はあふれ呼になってしまいます。

1件あたりの問い合わせに時間をかけるほど、オペレーターが1日に処理できる件数は少なくなっていきます。このような状態が続くと、慢性的にあふれ呼が発生する可能性も考えられます。

電話以外の問題解決の手段が不足している・わかりにくい

顧客が問題解決に至るまでの手段が充実していないと、問い合わせの件数が増え、あふれ呼が発生する可能性が高まります

コミュニケーションチャネルが多様化した昨今。問い合わせの手段は電話以外にも、メールやチャットなどさまざまなものが挙げられます。しかしこれらのチャネルが充分に整備されていない場合、結局電話に問い合わせが集中してしまい、あふれ呼が発生しやすくなるでしょう。

また顧客自身に問題の自己解決を促す手段として、自動音声によるガイダンス、チャットボット、FAQといったものがあります。しかしこれらの操作方法がわかりにくい場合、本来の意義を果たせず、電話への問い合わせが集中してしまうことになるでしょう。

あふれ呼の増加による問題

あふれ呼の増加による問題

あふれ呼が増加するとどのような問題が引き起こされるのか、それぞれ見ていきましょう。

顧客満足度の低下につながる

顧客がコールセンターやコンタクトセンターに抱く不満としてよく挙がるのが、「電話がつながりにくい」「たらい回しにされる」といった状況です。中でも電話がつながりにくい状態は、多くの顧客に大きなストレスを与えてしまいます。

顧客がコールセンターやコンタクトセンターに電話をするのは、主に自身が抱えている問題を解決したいからです。にもかかわらず電話がつながらなければ、そのもどかしさからさらなるストレスを感じ、顧客満足度が下がってしまいます。

企業としての機会損失を招く

コールセンターやコンタクトセンターは、既存顧客だけではなく、見込み客(商品やサービスに興味を持つ人)からの問い合わせに対応するケースも少なくありません。そういった場面で電話がつながらないと、顧客がストレスや不満を抱いてしまい、購買意欲も低下してしまいます。

また電話がつながらず、商品やサービスの疑問を解消できないと、そのまま競合他社に流れてしまうことも考えられるでしょう。このように、見込み客に対してあふれ呼が発生すると、機会損失になりかねません

企業や商品のイメージが低下する

先述のとおり、あふれ呼により電話がつながらなかったり長時間待たされたりする状況は、顧客にとって大きなストレスです。

疑問や問題をすぐに解消できないため、「自分が雑に扱われているのではないか」「購入後のアフターフォローも期待できないのではないか」と、企業に対してマイナスの印象を抱いてしまうかもしれません。

企業イメージや信頼が低下すれば、商品やサービスへの興味を失う可能性も高くなります。

このように、あふれ呼が増えることは、企業のサービスや商品の価値を損ねるだけでなく、顧客の企業に対する信頼を低下させる原因にもなります

クレームが増加してオペレーターの負担が増える

あふれ呼により顧客を長時間待たせた結果、クレームが増える可能性もあります。たとえばオペレーターが電話を取った途端、一向につながらなかったことに対して怒りをぶつけられるケースなども考えられるでしょう。

クレームが増えれば、クレーム対応にあたるオペレーターの精神的な負担も増加します。できるだけ迅速に対応したにもかかわらず顧客から怒りをぶつけられる状況が続けば、モチベーションが低下してしまうでしょう。また1コール当たりの対応時間も延びてしまうため、業務効率が低下してしまう恐れもあります。

その結果、顧客対応の悪化や離職の増加につながる可能性があります。深刻化すれば、運営全体にも悪影響が及ぶでしょう。

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あふれ呼を減らすための対策

あふれ呼を減らすための対策

ここでは、あふれ呼の問題を解決するための具体的な施策をご紹介します。

オペレーターの数を増やす

あふれ呼はコール数が受付可能なオペレーターの数を上回ると発生しやすいため、オペレーターの増員が効果的です。

ただし多大なコストがかかることを考えると、単にオペレーターを増やせばいい、ということにはなりません。まずは現状のオペレーターのシフト調整から着手することが重要です。時間帯ごとの入電数に応じてオペレーターを増員したり、休憩時間をずらしたりすることで、より効率的にあふれ呼を解消できるでしょう。

問い合わせ対応の効率性を高める

各オペレーターが一つひとつの問い合わせ対応を素早く完了できれば、それだけ勤務時間内に新しいコールに対応できるようになり、あふれ呼の減少につながります。

問い合わせ対応を効率化するためには、マニュアルやトークスクリプト、テンプレートなどの導入が有効です。これらは業務効率化だけでなく、対応品質の均一化にもつながります。

また、トーク分析を活用した社員教育などを行って、オペレーター一人ひとりのスキルを向上することも重要です。

生産性向上につながるツールを導入する

あふれ呼対策には、コールセンターやコンタクトセンター向けのツールの活用が有効です。

ツールといっても、オペレーターの生産性を向上して問い合わせ対応効率を高められるものや、顧客に自己解決を促して問い合わせ件数を削減できるものまでさまざまです。具体的なツールとしては、以下のようなものがあります。

 

ツール

概要
コールセンターシステム 問い合わせ対応などの窓口業務や、架電内容・顧客情報の管理などを効率化するシステム
ワークフォースマネジメントシステム オペレーターの管理・マネジメントを行い、予実管理と品質向上を実現するためのシステム
チャットボット テキストベースでリアルタイムに対話可能な自動会話プログラム
IVR 自動ガイダンスにより顧客にプッシュ操作を促し、ニーズをもとに適切なオペレーターへと接続するシステム

各ツールの機能について把握したうえで、自社の課題に即したものを導入しましょう

アウトソーシングを活用する

アウトソーシング先に、あふれ呼を受電してもらうことも有効な方法です。

この方法のメリットは、自社でオペレーターを育成する必要がなく、すぐにあふれ呼対策を実施できる点です。ただし外注するためのコストがかかる、自社にノウハウが蓄積されないといったデメリットもあります。

予算に余裕があり、慢性的にあふれ呼が発生しているような場合はアウトソーシングがおすすめです。しかし一時的な問い合わせ増加によるあふれ呼が短期間で繰り返し発生する場合はその都度依頼しなくてはならないため、かえって手間がかかってしまう可能性があります。

クラウドコンタクトセンター「ujet.cx」のご紹介

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あふれ呼対策には、顧客対応を効率化するツールの導入が効果的です。

「ujet.cx」は、スマートフォンの普及によって大きく変わったコミュニケーション手段に適応する、スマートフォンの機能をフル活用できるコンタクトセンターソリューション(CCaaS)です。モバイル端末の機能を最大限に活用し、シームレスで優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供します。

自社で展開しているアプリにモバイルSDKを組み込むことで、スマートフォン側の動画/静止画を共有できるほか、スマートフォンが持つ生体認証機能や位置情報/OS情報なども取得・活用できます。これにより効率的な顧客応対が実現可能です。またGoogleが提供するAI機能を搭載しており、バーチャルエージェントによる無人対応やリアルタイムの感情分析なども行えます。

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MiiTelは音声解析AIを搭載したクラウドIP電話&クラウドコールセンターサービスです。電話営業や顧客応対の録音から文字起こし、内容の要約、さらに感情分析までを音声解析AIが自動で行うことで、担当者が顧客と「何を」「どのように」話しているのかを解析・可視化でき、電話応対の課題であるブラックボックス化を解消できます。

応対記録を自動でデータ化できるため、議事録作成や報告といった事務作業の工数を減らせます。これによりオペレーターの業務効率が改善され、コールセンター全体の生産性が向上することで、あふれ呼の削減につなげられます。

 

まとめ

コールセンターやコンタクトセンターを運営するうえで、慢性的なあふれ呼は企業イメージの悪化やオペレーターの負担増加につながります。あふれ呼への対策として、一時的な電話の集中の解消やセンター規模の不足解消、問い合わせ窓口の強化が求められます。

あふれ呼対策にお悩みの担当者は、ぜひ新しいツールの導入を検討してみてください。

執筆者情報

KDDIウェブコミュニケーションズ
KDDIウェブコミュニケーションズ
2013年に、日本ではまだ黎明期であったCPaaSの取り扱いを開始。CPaaSやCCaaSなどコミュニケーションのDXの専門家として、「コミュニケーションの多様性」を活用するための記事をお届けします。


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