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CRMのCTI連携にはどんなメリットがある?両者の違いやツールの選び方を解説

公開日:2024.10.03

更新日:2024.10.03

KDDIウェブコミュニケーションズ

CRMのCTI連携にはどんなメリットがある?両者の違いやツールの選び方を解説

IT技術の発展および普及に伴い、さまざまな情報を簡単に手に入れられるようになった現代。企業と顧客の接点が増加した今、顧客対応を担当するコールセンター・コンタクトセンターは、企業にとっての顔とも呼べる重要な部門となっています。

快適な顧客体験を提供して満足度を高め、売上を向上させるうえで、企業の顧客対応力の強化は火急の課題となっています。そのためには、コールセンターやコンタクトセンターに導入しているシステムを効率的に活用することが重要です。

そこで注目されているのが、CRMのCTI連携です。本記事ではCTIとCRMの基本的な概要から連携のメリット、さらにはツールの選び方まで詳しく解説します。

【連携前におさらい】CTIとCRMとは?

【連携前におさらい】CTIとCRMとは?

CTI(Computer Telephony Integration)は、電話やFAXなどとコンピュータ(主にPC)を統合させるシステムのことを指します。電話回線とインターネット回線という、別々のネットワークで運用されていた電話とPCを一体化することで、コールセンターやコンタクトセンターにおける電話応対・架電業務を効率化できます。

具体的に実現できる機能としては着信履歴のシステム保存や通話情報の自動取得、CRMとの連携によるスクリーンポップアップ、クリックトゥコールなどが挙げられます。また近年ではAIを活用して、通話内容の自動要約や文字起こし、感情分析なども行えるようになっています。

一方、CRM(Customer Relationship Management)は、「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」と呼ばれる経営手法のことを指します。サービスを提供する企業が顧客一人ひとりに適切なアプローチを行い、LTV(顧客生涯価値)を最大化することで、企業と顧客の相互利益向上を図るといったものです。

近年ではCRMを効率化するツールのことも、広義的にCRMと呼ばれています。ツールとしてのCRMは顧客情報を1つのシステムに集約して分析・活用するシステムで、中にはSFA(営業支援システム)やグループウェアなどの付加機能を備えた製品も存在します。

CRMをCTI連携すると何ができる?

CRMをCTI連携すると何ができる?

CRMのCTI連携によって、コールセンターおよびコンタクトセンターのオペレーター業務を効率化できます。具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

迅速な顧客対応が可能になる

CRMのCTI連携により、顧客対応の際に、スクリーンポップアップ機能を利用できるようになります。

スクリーンポップアップ機能とは、電話が着信すると同時に、CRMに蓄積された顧客情報をパソコンの画面上に表示する機能を指します。受発信時の電話番号とCRMに登録されている顧客の電話番号が紐付き、該当する顧客情報が自動的に呼び出されるのがポイントです。またCRMの画面から直接電話を発信することもできます。

リアルタイムで参照できる情報の一例としては、以下のものが挙げられます。

  • 氏名や性別
  • 生年月日
  • 過去の問い合わせ内容
  • 購買履歴
  • 信用情報

この機能により、オペレーターは受発信の際に手作業で顧客情報を参照する必要がなくなります。電話がかかってきた時点で顧客の詳細なデータが自動表示されており、それを見ながら対応を行えるため、よりスムーズな課題解決が実現できるでしょう。

また「ラストエージェント機能」を有するCTIを導入すれば、CRMの問い合わせ履歴を参考にして以前対応した担当者を再び割り当てる、といったことも可能になります。発信者が前回と同じ質問や説明をする必要もなくなるため、より効率的かつ迅速に応対を行えます。

一人ひとりへの対応が速くなれば、ほかの顧客の待ち時間も短縮され、あふれ呼や放棄呼を減らすことにもつながります。こうして顧客満足度を向上させることで、長期的な顧客維持にも貢献できるでしょう。

後処理業務にかかる工数を削減できる

CRMをCTI連携させれば、過去の発着信履歴がすべてCRMのシステム上に自動記録され、組織内でリアルタイムに共有できるようになります。そのため後日にまた別のオペレーターが問い合わせ対応を行う場合でも、前回の問い合わせ内容を参考に適切な対応が可能です。引き継ぎに時間を取る必要もありません。

また音声解析AIを搭載するCTIを導入すれば、通話内容の自動文字起こしおよび自動要約が実現できます。これにより問い合わせ内容の入力の手間が省けるため、ACW(平均後処理時間)の短縮につながるでしょう。コールセンター・コンタクトセンターにおける生産性向上、顧客満足度の向上に貢献できます。

架電業務の人為的なミスを減らせる

アウトバウンド型のコールセンターやコンタクトセンターにおける架電業務では、オペレーターが手動で顧客リストに記載された電話番号に1件ずつ電話をかける仕組み上、電話のかけ間違いやロスタイムがたびたび発生してしまっていました。しかしCRMのCTI連携により、こうした課題も簡単に解決できます。

CTIの代表的な機能の1つに、CRM上に自動表示される電話番号をクリックするだけで電話をかけられる「クリックトゥコール」というものがあります。これを利用することでオペレーターがダイヤルナンバーを直接入力する手間を省けるうえ、電話のかけ間違いを大幅に減らせます。

CTI、CRMを導入・連携する際のポイント

CTI、CRMを導入・連携する際のポイント

CRMのCTI連携を前提に新しいシステムを導入する際、企業はどのような点を意識するべきでしょうか。ここでは検討・導入時のポイントをまとめます。

自社のCRMと連携できるか確認する

CRMのCTI連携を検討する場合、まずは新たに導入する予定のシステムと、すでに導入しているCRMの互換性を確認しましょう。分類としては同じでも、製品によって互換性の有無が異なります。

たとえばAというCRMと連携できても、Bという別会社のCRMとは連携が不可能といったケースも少なくありません。またMAツールやSFAツールをすでに導入している場合には、それらとの連携が可能かどうかも確認することをおすすめします

なお利用したいCTIとCRMに互換性がない場合には、独自のプログラムを開発することも視野に入れてみましょう。システム連携時に自社特有の要件を反映させたいケースにおいても向いている方法です。

ただし開発会社への相談や新たな人材採用が必要になるなど、企業の状況によっては開発工数と費用がかかるという点には注意が必要です。

自社のニーズ・規模に適したものを選ぶ

CTIシステムもCRMも、提供する企業によって搭載されている機能がそれぞれ異なります。そのため、自社の目標達成や課題解決に最適なものを選ぶことが大切です。

たとえばコールセンターの場合、顧客への架電を主業務とする「アウトバウンド型」と、顧客からの受電に対する対応を行う「インバウンド型」の2つの形態に分けられます。それぞれ抱える課題や目標に違いがあり、必然的に求められる機能も異なります。せっかく導入したのに課題解決や目標達成に至らなかった、といった事態に陥らないよう、事前のリサーチは必ず行ってください

比較検討の際にはまず自社の現状や課題、必要なものを洗い出します。そのうえで以下のような項目を意識してサービスを選定するとよいでしょう

  • 業務に必要な機能がきちんと備わっているか
  • 導入、運用サポートが整備されているか
  • セキュリティ対策が取られているか
  • 無料トライアルがあるか

またシステムの選定には、自社の企業規模も考慮する必要があります。

たとえば大規模なコールセンターへの活用を検討しているにも関わらず、必要最低限な機能のみが搭載されたシステムを導入してしまうと、導入および連携によるメリットを最大化できません。反対に小規模なコールセンターに必要以上の機能が搭載されたシステムを導入してしまうと、使っていない機能の分までコストがかさんでしまいます。その結果、導入・運用コストに見合う成果を得られない可能性が生じます。

自社のニーズと規模を前提として必要な機能を洗い出し、自社に適したCTIやCRMを選択しましょう。

サポート体制を確認する

CTI、CRMの連携を目的にシステムを導入する際には、サポート体制を確認することが大切です。システムを連携させる場合、単体のシステムを導入するよりも、導入から連携作業、運用に至るまでの工程でトラブルが生じやすくなります。

問題が起きれば業務が停滞し、顧客対応が遅れてしまう恐れもあります。トラブルを速やかに対処し、高品質な顧客サービスを維持するためにも、サポート体制が整っているシステムを選びましょう。

またCRMおよびCTIでは、企業や顧客情報といった多くの機密情報を取り扱っています。そのため、安心して情報を管理できるセキュリティ体制が整っているどうかも、必ず確認しておくようにしましょう

クラウドコンタクトセンター「ujet.cx」のご紹介

UJET.CX

「ujet.cx」は、スマートフォンの普及によって大きく変わったコミュニケーション手段に適応する、スマートフォンの機能をフル活用できるコンタクトセンターソリューション(CCaaS)です。モバイル端末の機能を最大限に活用し、シームレスで優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供します。

音声通話、メール、チャット、SMS、SNS(WhatsApp)などを利用したマルチチャネルに対応しており、消費者のニーズに合わせた自然なコミュニケーションを行えます。また自社で展開しているアプリにモバイルSDKを組み込むことで、スマートフォン側の動画/静止画を共有できるほか、スマートフォンが持つ生体認証機能や位置情報/OS情報なども取得・活用できます。これにより効率的な顧客応対が実現可能です。

そのほか、Google が提供するコンタクトセンターに特化したAI機能(CCAI)を、完全なクラウド環境で1席から利用できる点も魅力として挙げられます。

クラウドIP電話&クラウドコールセンター「MiiTel」のご紹介

MiiTel

MiiTelは音声解析AIを搭載したクラウドIP電話&クラウドコールセンターサービスです。電話営業や顧客応対の録音から文字起こし、内容の要約、さらに感情分析までを音声解析AIが自動で行うことで、担当者が顧客と「何を」「どのように」話しているのかを解析・可視化でき、電話応対の課題であるブラックボックス化を解消できます。

また応対記録を自動でデータ化できるため、議事録作成や報告といった事務作業の工数を減らせます。担当者がコア業務へ注力できるほか、蓄積されたデータをもとにしたセルフコーチングも可能です。さらに成績優秀者の話し方を分析してマニュアル化することで応対品質の向上や均一化も実現。生産性はもちろん、商談獲得率や成約率の向上にもつながります。

KWCPLUSでは、「通話専用プラン」と「フル機能プラン」の2種類のプランをご用意しています。「通話専用プラン」では高品質なクラウドIP電話をご利用いただけるほか、通話の録音、CRM連携、外部SFAなどとの連携が可能です。一方「フル機能プラン」は「通話専用プラン」の内容に加えて、文字起こしや自動要約、話し方解析、IVR設定や待ち呼設定など、充実した機能をご利用いただけます。自社の状況に合わせて適したプランをお選びください。

まとめ

CRMのCTI連携は、企業の顧客対応力を大きく向上させる有効な手段です。この連携により顧客応対の効率化や後処理時間の短縮、電話のかけ間違い防止、顧客満足度の向上といった多くのメリットが得られます。

CTIシステムを選ぶ際は、自社のCRMとの連携可能性やシステムのタイプ、自社の規模・ニーズとの適合性、サポート体制など、多角的な視点から検討しましょう。

たとえば弊社が提供する「UJET」は主要なCRMと連携済みのため、企業がすでに導入しているCRMに簡単にCTI機能を追加できます。スマートフォンにも対応した次世代型の多機能コンタクトセンターを展開したい、といった方におすすめです。

また「MiiTel」はCRM連携が可能なクラウドIP電話・クラウドコールセンターサービスです。社内の固定電話およびコールセンターをクラウド化したい、トーク分析を実施してセルフコーチングを活発化させたい、といった方におすすめです。

企業の顧客対応力の強化や対応品質の向上、対応業務の効率化などでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

執筆者情報

KDDIウェブコミュニケーションズ
KDDIウェブコミュニケーションズ
2013年に、日本ではまだ黎明期であったCPaaSの取り扱いを開始。CPaaSやCCaaSなどコミュニケーションのDXの専門家として、「コミュニケーションの多様性」を活用するための記事をお届けします。


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