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通話録音とは?メリット、導入方法、実施時の注意点を解説

公開日:2025.03.25

更新日:2025.03.25

KDDIウェブコミュニケーションズ

通話録音とは?メリット、導入方法、実施時の注意点を解説

通話録音でオペレーターと顧客とのやり取りを記録すれば、ヒューマンエラーの防止や、顧客満足度の向上、オペレーターのスキル向上といった効果が期待できます。一方、プライバシーへの配慮など注意点もあるため、理解したうえでの運用が重要です。

この記事では、コールセンターにおける通話録音の必要性やメリット、導入方法、注意点などについて解説します。

通話録音とは

通話録音とは、電話での会話を記録するシステムや装置のことを指します。オペレーターと顧客のやり取りを音声で残すことで、聞き漏らしや「言った・言わない」のトラブルを防げるほか、テキスト化することで応対スキルの向上にも活用できます。コールセンターでは、顧客対応の品質管理や業務改善に欠かせない重要な機能です。

コールセンターにおける通話録音の必要性・メリット

コールセンターに通話録音を導入する主なメリットは次のとおりです。

  • 顧客満足度の向上
  • クレーム対応への活用
  • オペレーターのスキル向上
  • 社内コンプライアンスの強化

それぞれのメリットについて、詳しく紹介します。

顧客満足度の向上につながる

通話録音は、電話対応の品質を高め、顧客満足度の向上につながります。

通話録音の録音データにはいつでもアクセスできるため、ヒューマンエラーによる聞き間違いや聞き逃しの防止に役立つでしょう。さらに、オペレーター同士で録音データを共有することで、伝達ミスの防止や正確な電話対応につながります。

また、顧客にとっては同じ説明を繰り返す手間が省けるほか、ニーズや課題に合った対応を受けられるようになるメリットがあります

クレーム対応に活用できる

通話録音の導入は、クレーム対応にも活用できます。例えば「言った・言わない」の問題に発展するケースでは、双方の認識にズレが生じていることが多く、解決には事実確認が欠かせません。そんな時は通話データを活用すれば客観的な情報を確認でき、適切な解決策を見つけやすくなります。

また、録音データを分析すれば、特定のサービスに関するクレームの数や会話のどの部分で誤解が生じやすいのかも把握可能です。クレーム対応の成功例を共有することで、オペレーターの対応力向上になります。

オペレーターのスキル向上に活用できる

通話録音のデータを残しておくことで、発言や対応を分析し、オペレーターの強みや改善点を明確にできます。これにより、スキルや品質の向上が図れるのです。オペレーター自身も、録音データを聞くことで、自身の対応を客観的に見直しながら改善に取り組めます。

また、優れた対応を保存・共有することで、新人オペレーターのコーチングに活用することも可能です。経験豊富なオペレーターの対応を学ぶことで、実践的なスキルの習得が早まり、トークの精度やマナーの向上も期待できます。

指導担当者の負担も軽減されるため、効率的で質の高い教育体制の構築にもつながります。

社内コンプライアンスを強化できる

電話対応は書面やメールと異なり、録音しない限り正確な発言内容を記録できません。通話録音を行うことで会話の透明性が確保され、コンプライアンス違反の有無も確認しやすくなります

具体的には、オペレーターによる不適切な発言の有無、顧客情報の取り扱い、法的リスクを伴う商品の説明といった重要な内容も管理できます。

また、録音しているという事実がオペレーターの発言を慎重にさせることから、コンプライアンス意識の向上にも効果的です。もちろん、万が一、違反が発覚した際も迅速に対応できます。

コールセンターで通話録音を行う際の注意点

通話録音を導入する際は、以下のようなポイントに注意する必要があります。

  • プライバシーやデータの保護に配慮する必要がある
  • オペレーター・顧客に警戒心を与える可能性がある

それぞれ見ていきましょう。

プライバシーやデータ保護に配慮する必要がある

コールセンターで通話内容を録音する際は、プライバシーやデータ保護への配慮が欠かせません。

録音データには顧客の個人情報やビジネスに関する重要な情報が含まれます。そのため、録音する旨と、その目的については、あらかじめ顧客に明示する必要があります。

また、データの漏洩や不正利用を防ぐための、高度なセキュリティ対策も必須です。保管期間や破棄方法についても、法令や企業の規定に則りましょう。

オペレーター・顧客に警戒心を与える可能性がある

通話録音は、オペレーターや顧客に警戒心を抱かせる可能性があります。

オペレーターが録音されていることを心理的な負担として感じ、顧客とのコミュニケーションや業務効率が低下する可能性は否定できません。

また、顧客側も、録音を意識するあまり緊張してしまい、不具合などの状況を正確に伝えにくくなって、ヒアリングに時間がかかってしまうケースもみられます。

通話録音の目的は監視ではなく、オペレーターと顧客の双方を守ることだと伝えるのが重要です。

コールセンターにおける通話録音の方法

通話録音の導入方法は、大きく分けて次の3つがあります。

  • クラウドPBXを導入する
  • コールセンター向けの通話機能付きのビジネスフォンに切り替える
  • 録音装置を後付けする

それぞれどのような方法なのか見ていきましょう。

クラウドPBXを導入する

音声通話の一つ目の導入方法は、クラウドPBXを導入することです、

PBXとは「Private Branch eXchange」の略で、内線や外線などの音声通話を管理・制御するシステムです。オフィスやコールセンターで使用される複数の電話機を一括運用でき、録音機能が標準またはオプションで備わっています。

クラウドPBXは、クラウドを利用してPBXを提供するサービスです。物理的な機器を追加導入する必要がないため、初期費用を抑えながら比較的短時間で環境を構築できます。また、インターネット回線とデバイスさえあれば、どこからでも通話や通話録音が可能です。

また、録音データはサーバー上に補完するため、膨大な量のデータを漏れなく活用できます。さらに、CRMと連携して顧客情報と録音データを紐づければ、管理や活用の幅がさらに広がるでしょう。

コールセンター向けの通話機能付きのビジネスフォンに切り替える

多くのビジネスフォンには通話録音機能が標準搭載されており、録音データを本体や外付けの記録媒体に保存することが可能です。録音設定は手動・自動の切り替えが可能で、機種によって仕様が異なります。

録音機能を一元管理しやすく、システム統合にも適した方法ですが、買い替え費用や配線・設置工事などの初期コストが高額になりやすい点には注意してください。

また、一部のビジネスフォンは専用回線にしか対応していない場合があります。自社の電話回線で使用できるかどうか、事前に確認しましょう。

録音装置を後付けする

ICレコーダーなどの通話録音装置を後付けする方法もあります。ICレコーダーには、「電話機に接続するタイプ」と「受話器に接続するタイプ」の2種類があり、それぞれ録音の仕組みが異なります。

電話機に接続するタイプは、ICレコーダーにイヤホン型のマイクを取り付け、オペレーターの音声と受話器の音声を同時に拾いながら録音する仕組みです。

一方、受話器に接続するタイプは、電話機と受話器の間に電話録音アダプターを設置し、そこにICレコーダーを接続して録音します。

いずれも既存の固定電話をそのまま活用できますが、機種によっては配線工事が必要になり、通話の音質が低下する可能性もあります。また、端末ごとに個別の設置が必要になるため、大規模な導入には向いていません。

コストを抑えつつ通話録音を導入したい、小規模なコールセンターに適した方法といえるでしょう。

コールセンターにおける通話録音システムの選び方

通話録音システムを選ぶ際は、以下の4つのポイントに着目してみましょう。

  • 機能性
  • 音質
  • セキュリティ
  • 外部システムとの連携範囲

それぞれのポイントについて解説していきます。

機能性

通話録音システムは、システムごとに搭載されている機能が異なります。システムの導入によって解決したい課題と、解決のために必要な機能を明確にしたうえで、その機能が搭載されているシステムを選びましょう

例えば、「オペレーターのスキル向上」が課題ならば、日時や対応者ごとに録音データを検索できる機能があると便利です。ユーザーの感情を把握したいのなら、AIによる感情分析機能が役立ちます。

音質

通話録音は、十分にクリアな音質で録音できるものを選びましょう。音質が不十分な場合、内容の確認や分析が難しくなり、録音データの価値が低下してしまいます。

また、録音装置を後付けする場合や録音機能付きのビジネスフォンを導入する際に配線を変更する場合は、音質が低下するリスクがあります。

セキュリティ

通話録音のデータには、顧客の個人情報やビジネスに関する重要な情報が含まれるため、安全な保管が求められます。そのため、セキュリティ対策が十分に施されているシステムを選びましょう。

具体的には、「データ暗号化」「アクセス制御」「監視とアラート」といったセキュリティが導入されているかをチェックしてみてください

外部システムとの連携範囲

通話録音は、外部システムと連携することで、その効果を最大限に引き出せます

例えばCRM(顧客管理システム)と連携すれば、着信と同時に顧客情報の確認が可能です。録音データを顧客情報と紐づけて管理できるため、顧客対応の品質向上にも役立ちます。また、録音データと過去の対応履歴を活用することで、オペレーターへのフィードバックもしやすくなり、スキルの向上にもつながります。

通話録音システムを選ぶ際は、すでに導入しているツールとの連携が可能なのかも確認してみてください。

クラウドIP電話&クラウドコールセンター
「MiiTel」のご紹介

MiiTel

MiiTelは音声解析AIを搭載したクラウドIP電話&クラウドコールセンターサービスです。電話営業や顧客応対の録音から文字起こし、内容の要約、さらに感情分析までを音声解析AIが自動で行うことで、担当者が顧客と「何を」「どのように」話しているのかを解析・可視化でき、電話応対の課題であるブラックボックス化を解消できます。

また応対記録を自動でデータ化できるため、議事録作成や報告といった事務作業の工数を減らせます。担当者がコア業務へ注力できるほか、蓄積されたデータをもとにしたセルフコーチングも可能です。さらに成績優秀者の話し方を分析してマニュアル化することで応対品質の向上や均一化も実現。生産性はもちろん、商談獲得率や成約率の向上にもつながります。

KWCPLUSでは、「通話専用プラン」と「フル機能プラン」の2種類のプランをご用意しています。「通話専用プラン」では高品質なクラウドIP電話をご利用いただけるほか、通話の録音、CRM連携、外部SFAなどとの連携が可能です。一方「フル機能プラン」は「通話専用プラン」の内容に加えて、文字起こしや自動要約、話し方解析、IVR設定や待ち呼設定など、充実した機能をご利用いただけます。自社の状況に合わせて適したプランをお選びください。

kintoneに通話・SMS機能を追加するプラグイン
V Call プラグイン for kintone」のご紹介

V Callプラグイン for kintone

V Call プラグイン for kintoneは、kintoneアプリに登録されている電話番号に対して、アプリ上から直接クリックtoコールで電話とSMSを発信できるプラグインです。コミュニケーションをkintone上に統合して効率化を図れるほか、通話内容の録音・文字起こしをすべて自動で行えます。これにより通話内容の「言った・言わない」を解消できるのはもちろん、社内共有や引き継ぎも簡単に行えるようになります。

さらにV Call プラグイン for kintoneの特徴として、柔軟なカスタマイズ性が挙げられます。本製品は電話・SMSの発信のみを基本機能としているため、着信時の制御をユーザー側で自由にカスタマイズできます。また一斉架電やSMS配信など、発信側の制御についてもカスタマイズ可能です。

そのほか、ご利用に際して別途必要となるVonageアカウントも活用できます。Vonageのさまざまなチャネルや機能をkintoneと組み合わせることで、kintoneアプリをより便利に使えるようになるのです。

まとめ

通話録音を活用すれば、顧客満足度の向上やオペレーターのスキル強化、社内コンプライアンスの強化など、多くのメリットが期待できます。

ただし、プライバシー保護やデータ管理、オペレーターや顧客の心理的負担といった点に配慮が必要です。通話録音システムを選定する際は、機能性や音質、セキュリティ対策を確認しておくと、自社に最適なシステムを見つけやすくなります。

通話録音システムの導入を検討中であれば、クラウドIP電話の「MiiTel」がおすすめです。MiiTelなら、高品質な通話録音機能に加え、CRMとの連携や音声データの可視化など、コールセンター運営に役立つ機能を低コストで利用できます。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

また、kintoneをお使いであれば、V Callプラグイン for kintoneがおすすめです。お使いのkintone管理アプリより直接「電話」「SMS」の発信が可能なプラグインで、通話の自動録音・テキスト化ができます。電話もSMSもすべてkintone内で完結するため、別ツールを立ち上げる必要がなく一元管理が可能です。

執筆者情報

KDDIウェブコミュニケーションズ
KDDIウェブコミュニケーションズ
2013年に、日本ではまだ黎明期であったCPaaSの取り扱いを開始。CPaaSやCCaaSなどコミュニケーションのDXの専門家として、「コミュニケーションの多様性」を活用するための記事をお届けします。


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