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コールセンター立ち上げに必要な7つのステップ!手順や必要な費用、成功のコツを解説

公開日:2025.03.27

更新日:2025.03.27

KDDIウェブコミュニケーションズ

コールセンター立ち上げに必要な7つのステップ!手順や必要な費用、成功のコツを解説

「コールセンターを作りたいが、何から始めればいいかわからない」「できるだけコストを抑えつつ、効率的な運営をしたい」こうしたお悩みを抱えていませんか?

コールセンターの立ち上げには、目的の明確化、業務プロセスの設計、インフラやシステムの構築、人材の確保など、多くのステップが求められます。そのほか、初期投資や運用コストについても考慮しなければなりません。

本記事では、コールセンターの立ち上げを成功させるために必要なステップを解説し、費用を抑えて効率的に運営するポイントを紹介します。システム導入の選び方やコスト管理のコツなどを知りたい方も、ぜひご参考ください。

コールセンターの立ち上げ・構築プロセス

コールセンター立ち上げに必要な7つのステップ!手順や必要な費用、成功のコツを解説

コールセンターを立ち上げるには、いくつかのステップを踏む必要があります。以下7つのプロセスを追って、着実に準備を進めていきましょう。

1.目的・ゴールの明確化

コールセンターを立ち上げるときは、まず「どのような成果を期待するのか」「どのような課題を達成したいのか」という目的やゴールを明らかにしましょう。問い合わせ対応やクレーム対応、アウトバウンド業務などにおいて、どのような課題を抱えているのかを明確にしてください。

コールセンターの導入目的としては、主に次のようなことが挙げられます。

  • 新規顧客獲得による売上アップ
  • 合理的なオペレーター管理による効率化の実現
  • カスタマーサポートによる顧客満足度の改善

目的が定まったら達成に向けて方針を決め、必要な部署や業務内容の設計をしましょう。

2.現状分析・KPIの設定

目的を明確にしたらKPIを設定します。目的が最終的なゴールなら、KPIはそのゴールに到達するための中間目標です。数値を含めた具体的なKPIがあれば、目指すべき方向性が明らかになり、チーム一丸となってゴールに向けて邁進できます。

コールセンターにおける一般的なKPIは、応答率、個客満足度、平均通話時間(ATT)や平均処理時間(AHT)などです。一つの目的を達成するにあたり、施策ごとや部署ごとなど必要に応じて複数のKPIを設定するケースが多くなっています。

KPIを設定するために必要なのが現状の調査です。調査すべき項目として、主に以下の点を洗い出しましょう。

  • 運用ルールに問題はないか
  • マネジメントや教育の体制は整っているか
  • システム環境の過不足はないか

3.業務プロセスの設計

業務プロセスとは「日々のコールセンター業務をどのような手順で進めていくか」を具体的に可視化することです。検討が必要な項目として、以下のような例が挙げられます。

  • 目標達成のためのマネジメント方法・報告方法
  • 指揮命令系統や各ポジションに付与する権限
  • 災害時・緊急時の運用方法(BCP対策)

自然災害の多い日本において、企業は常に一定の業務停止リスクを抱えています。しかし緊急時であっても、コールセンターには顧客からの問い合わせが発生します。そのため、特に重要なのが、緊急時に事業を継続させ早期復旧させる計画をまとめた「BCP対策」です。

後回しにせず、対応方法を事前に検討しておくことが大切です。

4.インフラ・システムの構築

次に、コールセンターを運用するためのインフラやシステムを構築しましょう。あらかじめ業務プロセスや業務フローを洗い出しておくと、それぞれのフェーズで必要なものが見えてきます。

コールセンターで用いられる代表的なインフラやシステムは、次のとおりです。 

電話回線・PBX(電話交換機)

  • 組織内の電話通信を処理するための専用交換機
  • アナウンス・通話録音等の設定を行う

通信ネットワーク

  • 自社のネットワークとコールセンターのネットワークを連携させる
  • コールセンターでは多くの個人情報を取り扱うため、厳重なセキュリティが求められる

CTI

  • コンピューターと電話システムを統合して動かすシステム
  • 録音機能やオペレーターへの自動振り分け機能が搭載されており、コールセンター業務では必要不可欠

FAQ

  • 顧客から寄せられる「よくある質問」と、その回答を構築するためのシステム
  • FAQを見ればオペレーターが回答例を参照できるほか、問い合わせサイトなどに設置すれば顧客の自己解決を促せる

CRM

  • 顧客情報や問い合わせ履歴などを一元管理するシステム
  • 無料トライアル等を活用しながら現場目線で操作性を検証し、比較検討するのがよい
 近年では、AI技術を利用したCTIの活用も進んでいます。バーチャルエージェントによる対応や感情分析機能が搭載されているのが特徴です。業務効率およびサービス品質の向上にも寄与するため、積極的に活用してみましょう。

またオペレーター人数分のヘッドセットやデスクの購入、コールセンターのレイアウト設計など、必要な設備を整えましょう。

5.各種マニュアルの作成

日々のコールセンター業務を円滑にするには、各種マニュアルや参照できる資料を整備することも重要です。業務プロセスをもとに、コールセンターで必要な知識をマニュアルに落とし込みましょう

コールセンター運営に欠かせない「管理者」、「オペレーター」、「システム運用者」に応じて、マニュアルを作成します。 

コールセンターに必要な各種マニュアル

管理者(コールセンター長やスーパーバイザー)向けマニュアル

  • シフト管理マニュアル
  • 品質管理(モニタリング)マニュアル
  • トラブル・クレーム管理マニュアル
  • 業績分析・レポート作成マニュアル

オペレーター向けマニュアル

  • 顧客応対マニュアル・スクリプト
  • クレーム・トラブルシューティングマニュアル
  • 社内コンプライアンスマニュアル
  • 品質管理マニュアル

システム運用者向けマニュアル

  • 電話操作マニュアル
  • 各種システムの操作マニュアル
  • パソコンの操作・セキュリティマニュアル
 

6.人材の確保

マニュアルを整備したら、コールセンターに必要な人材を確保します。先に挙げたようにコールセンターではオペレーターだけでなく管理者やシステム運用者などさまざまな人材が求められます。必要なポストを洗い出し、組織規模に応じて人材を確保しましょう。

規模の大きな組織では多くの問い合わせが寄せられることが予想されるため、正規社員に加え契約社員やアルバイト、派遣社員などを含めて採用活動を行うのが一般的です。

7.人材の育成・フォローアップ

採用後は業務に必要な知識を身につけるため、研修を実施します。作成したマニュアルも活用しながら、実際の運営に向けて育成をすすめましょう。

  • 基本的な電話応対研修
  • 製品・サービスに関する知識研修
  • システム操作研修
  • クレーム対応研修
  • コミュニケーションスキル研修
  • セキュリティ・コンプライアンス研修
  • 管理者向け研修

研修の充実度はコールセンターの応対品質に直結します。座学だけでなくロールプレイングなどの実技も含めながら、丁寧に研修を行いましょう。

また、研修は一度実施して完了ではありません。OJT制度によるフィードバックや1on1ミーティングを行い、一人ひとりのスタッフに寄り添いながら定期的なフォローアップを心がけてください。

コールセンターの立ち上げ・構築に必要な費用

コールセンターの立ち上げ・構築に必要な費用

コールセンターの立ち上げにはある程度の費用がかかります。ここでは具体的にどういった費用が必要になるのか、初期設備費、維持管理費、人件費の3つに分けて解説します。

初期設備費

立ち上げ準備にはコールセンターシステムをはじめ、さまざまなインフラやシステム導入の初期費用や開発費、工事費などのコストが発生します。コールセンターシステムを導入する場合、オンプレミス型とクラウド型によって料金形態が異なる点に注意が必要です。

オンプレミス型のコールセンターシステムは、サーバーや周辺機器の構築、さらに運用やメンテナンスなども自社で行う点に特徴があります。初期費用が高額になりやすいものの、クラウド型のような月額利用料は発生しません。そのため、長期的に運用する場合はランニングコストを抑えやすいです。

一方でクラウド型のコールセンターシステムは、ベンダーが運用しているクラウド上のサーバーを利用して、Webブラウザ上でサービスを利用できるのが特徴です。サーバーやネットワーク機器などを自社でそろえる必要はありません。初期費用を抑え、迅速にシステムを導入できる点がメリットです。

維持管理費

コールセンターを運用するには維持管理費が必要です。維持管理費の代表的な例として、以下のものが挙げられます。

  • 施設の賃料
  • コールセンターシステムの使用料
  • インフラの保守管理費
  • コールセンターシステムの保守管理費
  • 光熱費

それぞれ「固定費」と「変動費」に分かれます。賃料やコールセンターシステムの使用料は固定費にあたり、期間による大きな変動はありません。一方、インフラの保守管理費や光熱費など、期間によって金額が変わるのが変動費です。

また前述のように、オンプレミス型かクラウド型かによって運用コストの料金体系が大きく異なります。事前にどちらのシステムを選ぶのか、長期的にどの程度の費用が発生するのかを想定しておきましょう。

人件費

コールセンターを運用するには、コールセンター長やSV(スーパーバイザー)、オペレーターなどの人材が欠かせません。そのため、コールセンターを立ち上げる前に人件費を想定しておくことが大切です。

人材採用では、広告掲載型や成果報酬型といった料金体系の違い、あるいは広告の掲載場所によって費用が変動します。数万円程度で出稿できる安価なものもあれば、100万円を超えるケースも存在するため、さまざまな媒体を比較して費用対効果を見極めましょう。

また人件費には教育コストも含みます。既存の従業員を起用する場合、研修や勉強会、FAQやナレッジベースといったシステムの構築に、どの程度の費用がかかるかを想定しておくのが望ましいです。

コールセンターの立ち上げ・構築を成功させるポイント

コールセンターの立ち上げ・構築を成功させるポイント

コールセンターを立ち上げる際に押さえておきたいポイントについて、ここでは「事前の費用確認」、「通信インフラの整備」、「オムニチャネル化」の3点に絞って解説します。

事前に費用感をイメージしておく

コールセンターの立ち上げ準備では、捻出できる費用を見ながら規模を考えましょう。大規模なコールセンターを設置する場合でも、予算がなければ適切な問い合わせチャネルや応対品質の確保などが難しくなります。

規模を大きくして問い合わせの対応可能件数を増やし、顧客満足度の向上を図りたいと考える企業も多いですが、基本的に施設が広くなるほどコストは高くなります。実際には入電が少ないといった事態も想定しなければいけません。

規模を大きくせず、充実したスキルを持ったオペレーターを採用・育成したいと考えるなら、人件費に予算の多くを投入するのも一案です。コールセンターのどの部分にどの程度の費用をかけるのかを想定したうえで、規模やシステムの内容を詳しく考えましょう。

品質を維持できる通信インフラを整備する

コールセンターの規模にかかわらず、適切な通信インフラを整備することが大切です。通信インフラの速度・容量ともに問題がないか、事前のチェックが必要になります。

コールセンターでは、顧客からの問い合わせに対して、CRMやウェブサイトを参照する機会も多々あります。その際にアクセスに時間がかかってしまうと、それだけ対応時間が長引いてしまい、顧客満足度の低下につながります。また電話回線についても、大量の入電があった場合にも対応できるだけの余裕が必要です。

オムニチャネル化を意識したシステムを導入する

コールセンター内の業務は、受電にあたる「インバウンド」と、架電にあたる「アウトバウンド」の2種類に分けられます。

その業務は電話だけにとどまらず、近年はチャットや問い合わせフォーム、メール、SNSなど多岐にわたるため、顧客ニーズに沿って適切なチャネルを用意することが重要です。

対応チャネルの種類が増加することで顧客との接点が増え、売上や顧客満足度の向上につながる可能性もあります。最近のコールセンターシステムはマルチチャネルに対応したものが多いので、システムを選定する際にチャネルの種類を検討しましょう。

クラウドIP電話&クラウドコールセンター
「MiiTel」のご紹介

MiiTel

MiiTelは音声解析AIを搭載したクラウドIP電話&クラウドコールセンターサービスです。電話営業や顧客応対の録音から文字起こし、内容の要約、さらに感情分析までを音声解析AIが自動で行うことで、担当者が顧客と「何を」「どのように」話しているのかを解析・可視化でき、電話応対の課題であるブラックボックス化を解消できます。

また応対記録を自動でデータ化できるため、議事録作成や報告といった事務作業の工数を減らせます。担当者がコア業務へ注力できるほか、蓄積されたデータをもとにしたセルフコーチングも可能です。さらに成績優秀者の話し方を分析してマニュアル化することで応対品質の向上や均一化も実現。生産性はもちろん、商談獲得率や成約率の向上にもつながります。

KWCPLUSでは、「通話専用プラン」と「フル機能プラン」の2種類のプランをご用意しています。「通話専用プラン」では高品質なクラウドIP電話をご利用いただけるほか、通話の録音、CRM連携、外部SFAなどとの連携が可能です。一方「フル機能プラン」は「通話専用プラン」の内容に加えて、文字起こしや自動要約、話し方解析、IVR設定や待ち呼設定など、充実した機能をご利用いただけます。自社の状況に合わせて適したプランをお選びください。

まとめ

コールセンターの立ち上げには、紹介した7つのステップと、それぞれのポイントを押さえて着実に準備を進めることが成功のカギです。また立ち上げ準備にかかる費用についても事前に綿密な計画を立て、捻出できる費用を見ながら適切な規模やシステムを検討しなくてはいけません。

品質を維持できる通信インフラの整備や、オムニチャネル化を意識したシステムの導入など立ち上げ後の運用面にも目を向けることが重要です。

MiiTelは音声解析AIを搭載しているため、応対品質の向上と業務の効率化を両立するコールセンターを実現できます。お困りの方や企業の担当者様は、ぜひお問い合わせください。

執筆者情報

KDDIウェブコミュニケーションズ
KDDIウェブコミュニケーションズ
2013年に、日本ではまだ黎明期であったCPaaSの取り扱いを開始。CPaaSやCCaaSなどコミュニケーションのDXの専門家として、「コミュニケーションの多様性」を活用するための記事をお届けします。


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