
SalesforceとCTIを連携させると、通話内容や履歴を自動で記録が可能です。記録したデータを活用すれば、業務の効率化に加え、顧客満足度の向上やマーケティング戦略の策定にも役立ちます。
本記事では、SalesforceとCTIを連携によってできることや、連携のメリット、連携を成功させるためのポイントなどについて解説します。また、導入事例もご紹介しているため、自社での運用をイメージする際の参考にしてください。
SalesforceとCTIを連携させると、以下のことができるようになります。
それぞれの機能について、詳しく見ていきましょう。
SalesforceとCTIシステムを連携すれば、通話履歴や会話内容が自動的にSalesforceに記録され、データの活用が可能です。
記録された通話履歴や会話データを分析することで、過去の対応で交わされたトークや頻出するキーワードを把握し、次のアポイントにつながりやすい会話パターンを特定できます。こうした分析結果をスクリプトに反映すれば、オペレーター全体のトーク精度が向上し、顧客対応の品質向上にもつながります。
また、自動文字起こし機能を使用すれば、テキスト化された会話をスタッフ間でスムーズに共有可能です。電話対応中や対応後に急いでメモを取る手間が省けるため、オペレーターの負担軽減にも効果的です。
着信があった際、どの会社の誰からなのか分からない状態で電話に出ると、出たあとの対応に遅れが生じがちです。
SalesforceとCTIシステムを連携しておけば、電話の着信時に顧客情報がポップアップ表示されるため、スムーズに対応できます。
また、顧客情報はSalesforce上に直接表示されるため、CTIシステムとSalesforceの画面を切り替える必要がなく、瞬時に顧客情報を把握できる点もメリットです。
SalesforceとCTIシステムを連携すれば、Salesforce上に表示された電話番号をクリックするだけで発信できます。顧客情報として管理されているすべての番号に対してワンクリックで架電できるため、「架電効率が悪い」「オペレーターが少なく業務負担が大きい」といった課題の解決にも効果的です。
さらに、手入力による電話番号の打ち間違いを防げるため、誤発信のリスクを低減しつつ、スムーズな発信によってアウトバウンドコール数の増加も期待できます。
SalesforceとCTIを連携させることで下記のようなメリットが得られます。
それぞれのメリットについてご紹介します。
CTIシステムとSalesforceを連携させることで、通話履歴やその結果が自動的に記録され、Salesforceへの手動入力が不要になります。これにより、電話対応や記録作業の時間を短縮でき、業務の効率化が進みます。
また、通話内容が正確に記録されることで記録漏れや入力ミスを防ぎ、データの正確性も向上します。記録作業の負担が軽減されるため、担当者は顧客との関係構築や営業戦略の策定といった、より重要な業務に注力できるでしょう。
SalesforceとCTIを連携し、通話履歴を分析することで、効果的な架電のトークパターンを特定でき、より確度の高いマーケティング戦略が策定可能です。
例えば、通話内容の分析により「導入事例を交えた説明をすると成約に結び付きやすい」といったパターンが多く見られた場合、それをスクリプトに盛り込むことで、営業チーム全体のトーク精度を向上できるでしょう。
このように効果的なスクリプトを共有することで、どの担当者でも統一されたアプローチを実施できるようになり、成約率の向上につながります。
CTIシステムをセールスフォースと連携させると、営業チーム全体でリアルタイムに顧客情報を共有できるようになります。通話履歴や顧客からのリクエスト内容が即座に更新され、すべてのメンバーが最新情報にアクセスできるため、迅速な意思決定が可能です。
また、情報共有のスピードが向上することで、営業活動のタイミングの最適化や効果的なアプローチにつながります。過去の問い合わせ内容や対応履歴もすぐに確認できるため、一貫性のある対応も実施できるでしょう。
さらに顧客が何度も同じ話を繰り返すストレスを軽減できれば、組織内の連携不足による不信感も生じにくくなります。その結果、顧客満足度の向上や信頼関係の強化にもつながります。
CTIとSalesforceの連携による効果が現れるまでには、一定の時間を要します。
Salesforceには多様な機能が搭載されており、それらを十分に理解し、スムーズに操作できるまで、スタッフへのトレーニングや教育が欠かせません。
また、課題を特定し適切な改善策を講じるためには、多くのデータ収集が必要です。成果の分析や機能を活用して具体的な成果が出るまでには時間がかかるでしょう。
そのため、一朝一夕の効果を期待するのではなく、長期的な視点で運用することが重要です。導入および効果発揮のスピードを少しでも早めるには、ベンダーのサポート範囲も事前に確認しておきましょう。
導入時や運用時に適切なサポートを受けることで、知識の浅いスタッフでも活用でき、効率的な運用につながります。
ここでは、SalesforceとCTIを連携させることで効果を上げている企業の事例を3つご紹介します。
A社は、宅配事業向け決済サービスを展開する中で、「お客様の声に耳を傾ける」ことを重視し、CRM専業チームを設置しました。
従来のシステムではCTI連携がなく、入電対応やエスカレーションに時間がかかるという課題があったといいます。そこで、システムを刷新し、CTIとSalesforceを連携させた結果、状況把握にかかる時間を約40秒、エスカレーション対応を約1分に短縮できました。
さらに、蓄積されたデータをセールス部門と共有することで、迅速な対応やサービス改善につながり、業務効率と顧客満足度の向上を実現しています。
A関連サービス事業を展開するB社は、CTIツールを導入し、コールログの集計・可視化を自動化しました。これにより、アドバイザーや上司がアウトバウンドコールの内容を簡単に振り返ることが可能になりました。
従来バックオフィスで行っていた集計作業が不要となり、1日あたり1時間の作業時間を削減しつつ、データの精度も向上しています。さらに、Salesforceとの連携により、活動履歴や予定が自動で反映される仕組みを構築し、アドバイザーの業務負担の軽減にもつながっています。
金融・保険系サービスを展開するC社は、顧客対応を強化するため、セールスフォースとCTIを連携しました。対応履歴を蓄積・分析することで、オペレーターの応対品質を向上させることで、顧客対応の最適化を図っています。
さらに、問い合わせ内容や購買行動のデータを活用し、グループ全体でのシナジー効果を創出。拡張性の高いシステムを導入し、繁忙期には柔軟にオペレーターを増員できる体制を整えた結果、効率的な顧客対応が可能になりました。
これらの取り組みにより、組織全体の生産性向上にもつながっています。
「ujet.cx」は、スマートフォンの普及によって大きく変わったコミュニケーション手段に適応する、スマートフォンの機能をフル活用できるコンタクトセンターソリューション(CCaaS)です。モバイル端末の機能を最大限に活用し、シームレスで優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供します。
音声通話、メール、チャット、SMS、SNS(WhatsApp)などを利用したマルチチャネルに対応しており、消費者のニーズに合わせた自然なコミュニケーションを行えます。また自社で展開しているアプリにモバイルSDKを組み込むことで、スマートフォン側の動画/静止画を共有できるほか、スマートフォンが持つ生体認証機能や位置情報/OS情報なども取得・活用できます。これにより効率的な顧客応対が実現可能です。
またUJETは主要なCRMと連携済みのため、多くの企業が利用しているSalesforceやZendeskといったCRMにも簡単にCTI機能を追加できます。これにより応対中にも顧客情報や過去のやり取りの履歴をリアルタイムで参照できるほか、応対中に取得した画像や動画などのデータも即時的に蓄積が可能です。またAIが応対の内容を自動記録・自動要約するため、オペレーターのデータ入力の手間を省くこともできます。
SalesforceとCTIを連携させることで、通話履歴の自動記録や、顧客情報のポップアップ表示、ワンクリック発信といった機能が利用可能になり、業務効率の向上やデータ活用の促進につながります。
ほかにもマーケティング戦略の最適化や情報共有・意思決定の迅速化による顧客満足度の向上など、多くのメリットが期待できます。
ただし、連携の効果が現れるまでには一定の時間を要するため、長期的な視点で運用を続けることが重要です。SalesforceとCTIの連携を検討している企業は、本記事で紹介したメリットやポイントを参考に、自社の課題解決や業務効率化に役立ててください。
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