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SalesforceとCTIの連携によってできることとは?メリットやポイントを解説

公開日:2025.03.25

更新日:2025.04.30

KDDIウェブコミュニケーションズ

SalesforceとCTIの連携によってできることとは?メリットやポイントを解説

Salesforceは、見込み顧客との関係構築から成約までの営業プロセスを最適化するクラウドサービスです。営業支援システム(SFA)だけでなく、顧客管理システム(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)といったさまざまなソリューションを提供しています。

このSalesforceとCTIを連携させることで、顧客との通話内容や対応履歴を自動で記録できるようになります。記録したデータを活用すれば、業務の効率化に加え、顧客満足度の向上やマーケティング戦略の策定にも役立つでしょう。

本記事では、SalesforceとCTIを連携によってできることや、連携のメリット、連携を成功させるためのポイントなどについて解説します。

SalesforceとCTIの連携によってできること

SalesforceとCTIの連携によってできること

CTIは「Computer Telephony Integration」の略語で、パソコンをはじめとしたコンピューターと電話システムを統合して動かす技術またはシステムのことを指します。SalesforceとCTIを連携させることでどのような機能を実現できるのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。

Salesforceへの自動記録

SalesforceとCTIを連携することで、顧客との通話履歴や通話内容が自動的にSalesforceに記録されるようになります。手動入力する手間がなくなるため、電話対応後の後処理にかかる時間を短縮し、事務作業を効率化できるでしょう。

また記録された通話履歴や会話データを分析することで、過去の対応で交わされたトークや頻出するキーワードを把握し、次のアポイントにつながりやすい会話パターンを特定できるようになります。こうした分析結果をスクリプトに反映すれば、オペレーター全体のトーク精度が向上し、顧客対応の品質向上にもつながります。

さらに自動文字起こし機能を使用すれば、会話データをテキスト化してスタッフ間でスムーズに共有できます。電話対応中や対応後に急いでメモを取る手間も省けるため、オペレーターの負担軽減に効果的です。

顧客情報のポップアップ表示

着信があった際、どの会社の誰からなのかわからない状態で電話に出ると、出た後の対応に遅れが生じがちです。SalesforceとCTIを連携しておけば、電話の着信時にSalesforcefに登録されている顧客情報がポップアップ表示されるため、顧客の関心事や直近の商談履歴などを把握したうえでの対応が可能です。スムーズに課題解決や本題へ移行できるでしょう。

なお顧客情報はSalesforce上に直接表示されるため、CTIシステムとSalesforceの画面を切り替える必要がありません。リアルタイムかつ瞬時に顧客情報を把握できる点もメリットと言えるでしょう。

クリックトゥコール

SalesforceとCTIシステムを連携すれば、Salesforce上に表示された電話番号をクリックするだけで発信できます。顧客情報として管理されているすべての番号に対してワンクリックで架電できるため、「架電効率が悪い」「オペレーターが少なくて業務負担が大きい」といった課題の解決にも効果的です。

また手入力による電話番号の打ち間違いも防げることから、誤発信のリスクを低減できます。スムーズな発信によってアウトバウンドコール数の増加も期待できるでしょう。

SalesforceとCTIを連携するメリット

SalesforceとCTIを連携するメリット

SalesforceとCTIを連携させることで得られるメリットについてご紹介します。

手作業の削減により業務効率が向上する

CTIシステムとSalesforceを連携させることで、通話履歴やその結果が自動的に記録されるようになるため、Salesforceへの手動入力が不要になります。これにより電話対応や記録作業の時間を短縮でき、業務の効率化が進みます。担当者は顧客との関係構築や営業戦略の策定といった、より重要な業務に注力できるでしょう。

また通話内容が自動で記録されることによって記録漏れや入力ミスを防げる、といったメリットもあります。

データの活用によりマーケティング戦略を最適化できる

SalesforceとCTIを連携してデータを蓄積し、通話履歴を分析することで、効果的な架電のトークパターンを特定できます。これにより、より確度の高いマーケティング戦略が策定可能です。

たとえば通話内容の分析により「導入事例を交えた説明をすると成約に結びつきやすい」といったパターンが多く見られた場合、それをスクリプトに盛り込むことで、営業チーム全体のトーク精度を向上できるでしょう。

このように効果的なスクリプトを共有することで、どの担当者でも統一されたアプローチを実施できるようになり、成約率の向上につながります。

情報共有・意思決定の迅速化により顧客満足度向上に寄与する

SalesforceとCTIの連携によって、顧客情報を営業チーム全体でリアルタイムに共有できます。通話履歴や顧客からのリクエスト内容が即座にSalesforce上で更新されるため、すべてのメンバーが最新情報にアクセスできるようになります。これにより、迅速な意思決定が可能です。

また情報共有のスピードが向上することで、営業活動のタイミングの最適化や効果的なアプローチにつながります。過去の問い合わせ内容や対応履歴もすぐに確認できるため、一貫性のある対応も実施できるでしょう。

さらに顧客が何度も同じ話を繰り返すストレスを軽減できれば、組織内の連携不足による不信感も生じにくくなります。その結果、顧客満足度の向上や信頼関係の強化にもつながります。

SalesforceとCTIを連携する際のポイント

SalesforceとCTIを連携する際のポイント

SalesforceとCTIの連携による効果が現れるまでには、一定の時間を要します。

Salesforceには多様な機能が搭載されているため、それらを充分に理解してスムーズに操作できるようになるまで、スタッフへのトレーニングや教育が欠かせません。また課題を特定して適切な改善策を講じるためには、多くのデータ収集が必要です。充分なデータを集めるまでにかかる時間や、データを分析して活用してから具体的な成果が出るまでの時間については、意識しておく必要があります。一朝一夕の効果を期待するのではなく、長期的な視点で運用することが重要です。

導入および効果発揮のスピードを少しでも早めるには、ベンダーのサポート範囲も事前に確認しておきましょう。導入時や運用時に適切なサポートを受けることで知識の浅いスタッフでもSalesforceを活用できるようになり、効率的な運用を実現できます。

SalesforceとCTIを連携させた成功事例

SalesforceとCTIを連携させた成功事例

ここでは、SalesforceとCTIを連携させることで効果を上げている企業の事例を3つご紹介します。

決済サービス事業を展開するA社の事例

A社は、宅配事業向け決済サービスを展開する中で、「お客様の声に耳を傾ける」ことを重視し、CRM専業チームを設置しました。

従来のシステムにはCTI連携がなく、入電対応やエスカレーションに時間がかかるという課題がありました。そこでシステムを刷新し、SalesforceとCTIを連携させた結果、問い合わせに対して状況把握にかかる時間を約40秒、エスカレーション対応を約1分に短縮できました

さらに蓄積されたデータをセールス部門と共有することで、顧客対応やサービスの改善につなげられました。SalesforceとCTIの連携により、業務効率と顧客満足度の向上を実現しています。

M&A関連サービス事業を展開するB社の事例

M&A関連サービス事業を展開するB社は、CTIツールを導入し、コールログの集計・可視化を自動化しました。これにより、アドバイザーや上司がアウトバウンドコールの内容を簡単に振り返ることが可能になりました。

従来バックオフィスで行っていた集計作業が不要となり、1日あたり1時間の作業時間を削減しつつ、データの精度も向上しています。さらにSalesforceとの連携により、活動履歴や予定が自動で反映される仕組みを構築し、アドバイザーの業務負担の軽減にもつながっています。

金融・保険系サービスを展開するC社の場合

金融・保険系サービスを展開するC社は、顧客対応を強化するため、SalesforceとCTIを連携しました。対応履歴を蓄積・分析することでオペレーターの応対品質を向上させ、顧客対応の最適化を図っています

さらに問い合わせ内容や購買行動のデータを活用し、グループ全体でのシナジー効果を創出しました。拡張性の高いシステムを導入し、繁忙期には柔軟にオペレーターを増員できる体制を整えた結果、効率的な顧客対応が可能になりました。

これらの取り組みにより、組織全体の生産性向上にもつながっています。

クラウドコンタクトセンター
「UJET」のご紹介

UJET.CX

「ujet.cx」は、スマートフォンの普及によって大きく変わったコミュニケーション手段に適応する、スマートフォンの機能をフル活用できるコンタクトセンターソリューション(CCaaS)です。モバイル端末の機能を最大限に活用し、シームレスで優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供します。

音声通話、メール、チャット、SMS、SNS(WhatsApp)などを利用したマルチチャネルに対応しており、消費者のニーズに合わせた自然なコミュニケーションを行えます。また自社で展開しているアプリにモバイルSDKを組み込むことで、スマートフォン側の動画/静止画を共有できるほか、スマートフォンが持つ生体認証機能や位置情報/OS情報なども取得・活用できます。これにより効率的な顧客応対が実現可能です。

またUJETは主要なCRMと連携済みのため、多くの企業が利用しているSalesforceやZendeskといったCRMにも簡単にCTI機能を追加できます。これにより応対中にも顧客情報や過去のやり取りの履歴をリアルタイムで参照できるほか、応対中に取得した画像や動画などのデータも即時的に蓄積が可能です。またAIが応対の内容を自動記録・自動要約するため、オペレーターのデータ入力の手間を省くこともできます。

クラウドIP電話&クラウドコールセンター
「MiiTel」のご紹介

MiiTel

MiiTelは音声解析AIを搭載したクラウドIP電話&クラウドコールセンターサービスです。PCとヘッドセット、インターネット環境さえ整っていれば、固定電話いらずでどこからでもクリアな音質で通話できます。

また独自機能として、音声解析AIを活用した通話内容の録音、文字起こし、内容要約、感情分析をすべて自動で行えます。これにより担当者が顧客と「何を」「どのように」話しているのかを解析・可視化でき、電話応対の課題であるブラックボックス化を解消できます。

さらに応対記録を自動でデータ化できるため、議事録作成や報告といった事務作業の工数を減らせます。担当者がコア業務へ注力できるほか、蓄積されたデータをもとにしたセルフコーチングも可能です。さらに成績優秀者の話し方を分析してマニュアル化することで応対品質の向上や均一化も実現。生産性はもちろん、商談獲得率や成約率の向上にもつながるでしょう。

クラウドコールセンターの導入を検討されている方は、ぜひ一度MiiTelをお試しください。

まとめ

SalesforceとCTIを連携させることで、通話履歴の自動記録や、顧客情報のポップアップ表示、ワンクリック発信といった機能が利用可能になり、業務効率の向上やデータ活用の促進につながります。

ほかにもマーケティング戦略の最適化や情報共有・意思決定の迅速化による顧客満足度の向上など、多くのメリットが期待できます。

ただし、連携の効果が現れるまでには一定の時間を要するため、長期的な視点で運用を続けることが重要です。SalesforceとCTIの連携を検討している企業は、本記事で紹介したメリットやポイントを参考に、自社の課題解決や業務効率化に役立ててください。

執筆者情報

KDDIウェブコミュニケーションズ
KDDIウェブコミュニケーションズ
2013年に、日本ではまだ黎明期であったCPaaSの取り扱いを開始。CPaaSやCCaaSなどコミュニケーションのDXの専門家として、「コミュニケーションの多様性」を活用するための記事をお届けします。


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